謎の謙虚と奇妙なSF 海野十三「第四次元の男」
「俺は人に見えていない時があるようなんだ」そういった男が友人である占い師に占ってもらったところ、彼は驚きとおそろしさで身を引きながら言った。「君は我々が今見ている現実世界の住人ではない──」
冒頭に「つまらんから読むな」という文句が書かれているが、なんとこの文句は8ページ程続いている。そんな昭和15年に作成されたSF小説とは思えないほどの奇想とユーモアのあるこの小説、次元における視点との関係性に対する説明が秀逸すぎる。物が見えなくなる説明に思わず「成る程!」となる事間違いなし。
53ページ、青空文庫。
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