「おかえり」
私が現場の校長だったら、学校に戻ってきた子どもにまず何を語るかと問われたときに出た言葉です。身体いっぱいの笑顔で「おかえり」と叫ぶでしょう。この言葉以外に校長が子どもに何を語れるでしょうか。
国の要請(※)とはいえ、かけがえのない「別れ」と「出会い」の学びの場を体験させてやれなかった学校のリーダーです。校長が語れるのは、すべての子どもが休校の間に「何を考えていたか」を教えてもらってからではないでしょうか。
休校の間、家庭で何をしていたかを子どもに聞くのは酷です。大人自身が困惑し、子どもの「不安」を感じる余裕すらない生活があったはずです。
何をしていたかではなく「何を考えていたか」は、すべての子どもが対等に学びに向かう力をつけます。
宿題の点検や進度やノルマを取り戻すことも大事かもしれませんが、それ以上に「学校っていいなあ……」「学びって楽しいなあ」と子どもが感じる学びの場をつくることを最上位の目的にしませんか。
大人が悩み考え続けたこの間、子どももそれぞれの胸の中でいっぱい考え続けたはずです。わかってくれる大人がいてこそ「不安」が「安心」に変わるのではないでしょうか。
(※)2020年2月27日、安倍晋三首相(当時)は全国の小中高に対して3月2日からの臨時休校要請を行った。
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