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「『子どもが育つ』学校に」

 想定外の危機に遭遇して露出したのは、主体的に学ぶ力がついていない子どもの姿です。
 これは個々の子どもの問題ではなく、これまで「教える」行為を磨いて子どもを育てることに一生懸命努めてきた教師側の問題です。
 子どもを学びの主語にと言いながら、「子どもを育てる」行為から脱却できていなかったのです

「子どもを育てる」の主語は教師です。
「子どもを主語にした学びの保障」に本当に必要なのは、「子どもが育つ」学校づくりなのです。

教師の行為の結果はすべて目の前の子どもの事実にあります。
教師がこんなに精いっぱい「育てて」いるのに、子どもが学びに向かう姿を見せなければ、「この子が……家庭が……発達障害では……」などと他のせいにしてしまうのではないでしょうか。
コロナ禍で新たな視点が見えたのです。
「子どもを育てる」学校から「子どもが育つ」学校へチェンジするチャンスです。

子どもが自分なりに主体的に学ぶ力を獲得していけば、突然の休校でも慌てて宿題のプリントを配付するだけにはならないでしょう。
「『子どもが育つ』学校づくりのために、今の自分をどう変えればいいだろうか」といった職員室の対話を深めませんか。チーム力の大切さが見えてくるはずです。

次回は9月1日更新予定です。

初出:『教職研修』2020年10月号。一部文面を変更のうえ、掲載しています。
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