「649」の「命」
「649」は、文科省の全国調査結果における2018~2019年度の2年間で自死してしまった児童・生徒の数です。
事故死を含めるともっと多くのかけがえのない命が失われた事実を突きつけられるでしょう。危機感はもっていたものの、いざこの数を目にすると衝撃が走ります。
「いじめ防止対策推進法」が施行されてから「いじめ」「暴力行為」「不登校」が過去最多。「インクルーシブ教育」の推進をとの声から特別支援学校・特別支援学級在籍の子どもの数が激増しています。
学校でいったい何が起こっているのでしょう。
校長の責任はすべての子どもの学習権を保障することにつきます。
「さようなら」と帰った子どもが翌日に「おはよう」と登校してくれないと校長の責任は果たせません。
コロナ禍の今、日本社会の誰もが最も大切なのは「命」であることを再認識しました。
スクールカウンセラーが配置され、校則を徹底し、決まりやマニュアルを厳しく指導すれば取り返しのつかない事実はなくなるでしょうか。
そうではないことに誰もが気づいているはずです。一つのかけがえのない「命」は子どもの限りなく広がる未来です。
子どもの「命」以外に学校が守るべきものはありません。
初出:『教職研修』2021年1月号、10頁。
一部文面を変更のうえ、掲載しています。