見出し画像

かいごの基本 男性利用者の整容

 介護現場ではなんとなくやっている介助ってないですか。教科書にも具体例もなく。
 私の経験では、曖昧のまま時間が過ぎた介助が男性の髭剃りと、鼻毛、眉毛です。
 
 特養入所者は、一般的に2ヶ月に1回の散髪で、業者が施設に来て、散髪と髭剃りをしてくれます。
 では、日常は、どうしているのでしょう。
 先ずは、髭剃りに、カミソリは使えません。カミソリを使うことは医療行為となる為シェーバーが一般的です。
 入所者が自分で剃ることは可能です。しかし、介護度3以上の方や認知症の方はやはりリスクがあり、私の父でさえ顔に傷だらけになっていました。
 その為にシェーバーを購入し、自分で、剃るように伝えましたが、時すでに遅し、機械が苦手、充電という準備作業、清掃、洗浄というメンテナンスができないのです。
 機械は便利なのですが、メンテナンスが必要です。なので若いうちから慣れておきましょう。

■男性の髭剃りをルール化
 私がユニットリーダーになり、自分なりにルール化したことは、起床後、毎日シェーバーを使って髭を剃る。顔を温かいタオルで拭く。
 髪の毛を整える。その後食事の席に向かうです。

 なぜ?ルール化というと、ほとんどの職員が、男性利用者の髭を剃らないという暗黙のルール。なので、伸び放題で、シェーバーの刃では長すぎて、シェーバーのスキマに入らない為、剃れません。
 更に伸び放題となり、誰も気にしなくなります。
 しまいには、伸ばしていると、勘違いする職員も出始めまたので毎朝ひげを剃るというルールにしました。
 
 実は私もシェーバーを使ったことがなく、自宅ではT字のカミソリでした。 
 利用者の髭剃り介助をして、シェーバーの使い方を学び、機能性やメンテナンス方法も習得しました。
 おすすめは、際ゾリ機能付きのシェーバーです。
 髭を剃る刃だけでなく、もみあげを切るための小さなバリカンのような刃が付いたタイプのものが良いです。
 更には、ウェット&ドライと言われるタイプが良いです。シェービングクリームを顔に塗ったままシェービングできる物がウェットタイプです。
 お年寄りの肌は弱いため、直接刃を当てると赤くなります。切れ味の悪い人シェーバーは、力が入り押し付けてしまうため、怪我に繋がります。
 
■髭剃りマニュアル
▶準備品
 本人のシェーバー (感染予防)
 弱酸性の泡石鹸(シェービングクリーム代わり)
 フェイスタオル
 くし又はブラシ(整髪用)
▶手順
①洗面台の前に誘導
②お湯に浸したタオルをやけどしないように注意しながら顔に当てる。肌が弱いのでゴシゴシ擦らない。
洗顔の代わりであり、気持ちが良いことと、髭を柔らかくする事が目的。
③顔に直接でなく、シェーバーの刃に泡石鹸を載せ、髭を剃っていきます。
もし、髭が伸びている場合は、際ゾリ機能で、可能な限り短く剃っておくと、髭剃りがスムーズにできる。

▶石鹸の効果
・潤滑剤としてスムーズに髭が剃れ、機械が毛を挟まないため痛くない。
・肌があれない、赤くならない。
・刃の寿命が伸びる。
▶注意
反対の手は顔の皮膚を伸ばしながら、皮膚を機械が挟まない様に優しくシェーバーを動かす。

▶追加
際ゾリ機能で、目立つ鼻毛、長すぎる眉毛をカットしておくと、清潔感が出る。 
 
④最後に、もう一度お湯に浸したタオルを絞り顔を拭き、くしやブラシで髪を整える。
寝癖は、温かいタオルで少し押さえる。

▶後片付け
①シェーバーの刃の洗浄
(ウェットタイプは水洗い可能)
・カバーを外し。刃のスキマの髭の、粉を流す。
乾かす。
②くしやブラシは中性洗剤で洗い乾かす

これをルール化したため、男性利用者の整容が楽になり、急な面会でも対応可能になりました。

★ポイント
・シェービングクリームの代替で弱酸性の泡石鹸で十分いけます。
・ウェット&ドライタイプは、水洗いが可能になり効率よく清潔維持でけます。
・際ゾリ機能付きのため安全に余計な毛が整えられます。
・シェーバーの刃は適宜交換しましょう。切れない刃は無駄な時間と、肌あれの原因です。




 



 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?