祇園祭山鉾巡行はメインじゃない!
7月、日本三大祭・京都三大祭の一つ、祇園祭の季節が近づいて来ました。
お酒を提供するプレミアム観覧席に、八坂神社の宮司さんが「山鉾巡行は神事であってショーではない」との苦言を呈しニュースにもなりましたが、結局、酒の提供は中止、水やジュースに改めることになりました。
というイメージが強いですが、宵山も山鉾巡行も祇園祭の神事の一部に過ぎません。
祇園祭は、7月1日の吉符入から始まり、7月31日の疫神社夏越祭まで1ヶ月間に様々な行事が行われます。
山鉾巡行は、前祭(7月17日)と後祭(7月24日)二度あります。
山鉾巡行(前祭)とは、八坂神社からお神輿に乗った神様が御旅所へ向かう前に、疫神・悪霊を寄せ集め、街を清めるための神事です。平たく言えば疫神・悪霊ホイホイ。帰り(後祭)も同じ、街を清め八坂神社へ戻られる。
つまり、前祭は「行き」後祭は「帰り」になります。
山鉾巡行は、夕方から神様が出御する前の露払いみたいなものでメインではありません。
7月17日(前祭)23基の山鉾、7月17日(後祭)11基の山鉾が四条通・河原町通・御池通を巡行します。
山鉾は34基もあって、どれを見たら良いのか、どれも同じように見えるなど初めて宵山・山鉾巡行へ見に行く人のためのアドバイスをしたいと思います。
前祭、23基の山鉾の内、オススメの5つの山鉾をご紹介。
祇園祭宵山を10倍楽しむ!も合わせてどうぞ。
1.長刀鉾
長刀鉾(なぎなたほこ)は、鉾頭に大長刀(おおなぎなた)をつける。古来より必ず巡行の先頭を行き、順番を決めるくじを取らない事から「くじ取らず」といわれています。
この長刀鉾のみ生稚児が乗り、山鉾巡行(前祭)では注連縄切りをおこなう。
疫病邪気を祓う大長刀は、京都御所と八坂神社へは刃が向かないよう山鉾巡行の時に角度が変えられます。現在の大長刀は竹製で本物は神品として保管。
宵山では長刀鉾に登れますが女人禁制です。天井には星座の飾りが見れます。
2.蟷螂山
蟷螂山(とうろうやま)は、山鉾で唯一カラクリ仕掛けでカマキリの頭・鎌・羽の部分と御所車の車輪が動くのが特徴です。
宵山期間の「かまきりおみくじ」が人気です。
3.月鉾
全ての山鉾の中で最重量(約12トン)を誇ります。宵山では、誰でも月鉾にのぼることができる。
4.綾傘鉾
綾傘鉾(あやがさほこ)は、大きな2つの傘の前を赤熊(しゃぐま)を付けた棒振りとお囃子の行列が特徴です。
5.船鉾
船鉾(ふねほこ)は、山鉾巡行(前祭)で殿(しんがり)を務める。宵山では、船鉾にのぼることができ、安産祈願御守や御安産御腹帯が授与される。
この記事が参加している募集
京都生まれ・京都育ちの京都人。 2005年から「京都観光研究所」を運営しています。 https://www.kyotokk.com/ https://blog.kyotokk.com/