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北野さんの大福梅で今年も健康【京都移民日記】
大福梅をいただきに北野天満宮に行ってきた。
大福梅とは北野天満宮で12月に授与される縁起物の梅干し。元旦の朝、または元旦の祝膳の初茶として飲めば一年を健康に過ごせる、といわれているらしい。
北野天満宮のサイトに詳しく縁起などが書かれている。
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「〇〇をすると一年を健康に過ごせる」といわれるものはたくさんあるが、やっぱりラクで、お金をあまりかけないで済むのが一番ではないか。
そう考えると、大福梅は梅にお湯を注いで飲むだけ、お手軽だ。しかも一つの包みに約6粒入って700円(2023年)。みもふたもない言い方だけど安い。助かる。
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村上天皇の天暦5年(951)疫病流行の折、「天皇御脳にかかり給いしが、この茶を服し給えば御脳たち所に平癒す。これより王服と称して毎年元旦にこの茶を服し給い、萬民これを倣い年中の疫病邪気を除き長寿幸福を得るなり」という故事にはじまる縁起物であります。
今も昔も疫病で困っている。天皇がご病気にかかられたときに梅干しのお茶で治ったらしい(御脳は高貴な人の病気のことだとか)。それから萬民も習ったとのこと。その文化が今まで続いているのだからすごい。
巫女さんたちが天日干し?
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これだけだと「そっかー」で終わらせるところなのだが、北野天満宮のサイトをなんとなく見ていたところ、この大福梅はなんと、北野天満宮で栽培、採取、天日干しして調整しているというのだ。写真を見る限り、巫女さんたちが行なっている。
詳しくは北野天満宮のサイトを見て欲しいのだが、毎年約2トン(!!)の梅を収穫するという。想いが本気すぎる。これはやっぱり信用できるのではないか。
大福梅をいただくときに「ようこそのお参りでした」ではなく「良い年をお迎えください」と言われたのも嬉しかった。来年のお正月、東京の実家でお茶に入れていただいてみよう。みんな元気ですごせるといいな。
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帰りに近くの粟餅所•澤屋という和菓子屋さんで粟餅(あわもち)をお土産に購入。
粟餅は初めて食べたけど、あまり重くなくふんわりとしてとても美味しい。きなこもあんこも甘さがくどくないので、するする食べられてしまう。
和菓子はあまり食べない方なんだけど、いくつでも食べられそうだ。こんなふうに「和菓子はあまり食べないけどこれは好き」という和菓子と京都でたくさん出会えそうな気がする。
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ちなみにこの澤屋さんの創業は5代将軍徳川綱吉の時代の天和2年、西暦1682年らしい。なんとなく入った和菓子屋さんがこれだから京都は困る。
お正月にみんなで健康を祈って梅干しのお茶をいただいて、子どもたちに学業守りを渡す、なんてスマートな京都人な気がする。私もいつかなれるだろうか、スマートな京都人に。
スマートじゃなくてもいいか。神様、仏様に守られているこの土地で、楽しく安心して暮らして、身近な人たちと縁起物を分かち合えたらそれで十分だな、と思い直したのだった。
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