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ドイツ ベルリン・フランクフルトへの旅~ドイツとの出合いと出発まで~

私が6,7歳だった頃。

家にとてもよく切れる包丁があった。野菜、肉、魚なんでもござれ。
銀色に光る切っ先をすっと走らせると、見事なまでの切れ味。
父も母も、愛用の包丁だった。

あるとき、父は私に、これはドイツのゾーリンゲンという場所で作られた包丁だと言った。

ゾーリンゲン?

鋭い響き。聞いただけで銀色の刃先が、目の前にちらちらするようだ。自分でつぶやいてみても、刃物の触れ合う音が聞こえるようで、一瞬ひやりとした冷たさを感じた。

「ふ~ん、ドイツという国は、こんなによく切れる包丁を作ってるんやなあ・・・」

これが、私とドイツの初めての出合いだ。


翻って、我が家の大学生の息子。
ゼミが、ドイツ人の先生。この先生が流暢な日本語で、楽しい授業をされるらしい。ドイツの文化や習慣、宗教などの話を聞いているうちに、むくむくと、ドイツに興味と関心が湧き出てきたようで、「絶対に家族で行こう!」などと言い出した。これが、今からおよそ1年ちょっと前の話。

それから折に触れ、ドイツが話題になり出したのだが、やはり遠い、旅費がかかる、仕事が休めない・・・・など、もろもろが重なり、なかなか踏ん切りがつかなかった。

しかし・・・やりたいこと、興味があることを今、しなければ意味がない。お金もそのために使えば、きっと活きたものになるはず。

そう思った私は、息子と共にドイツ旅行について、いろいろ調べた。すると、ドイツは博物館や美術館がとても多い。気になる博物館巡りをするのがいい!見ているだけで、学べるから。・・・ということで、旅のテーマは「博物館・美術館巡り」となった。

行先は、まず首都であるベルリン。そして、商都でもあり、日本からアクセスしやすいフランクフルトに決定。

ただ、ここで問題発生。夫と社会人の娘は、どうしても仕事で都合がつかず、不参加。息子が家から巣立つ前の最後の家族旅行・・・に、したかったけれど・・・

ちょっと出鼻をくじかれたが、ここであきらめては前に進めぬ。とにかく、ドイツで本物を見て、聞いて、味わって、感じて来なければ。

・・・そんな思いを胸に、私と息子はドイツに向けて「機上の人たち」となったのだった。



・ドイツ ベルリン・フランクフルトの旅で感じたことを、気の向くまま
綴っていきます。






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京すずらん
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