Zoom授業でちょっと考えてしまったこと
この4月から、勤務先の日本語学校でZoom授業が始まった。それからZoom参加の学生と、学校に来る学生が同時に学ぶハイブリッド型に移行。経緯を書けば2行だが、この2行には学校、先生達、学生達が試行錯誤でバタバタ進んできた思いが、込められている。
今年は夏休みもなく突っ走ってきたが、今は学期休み。つかの間の休息である。そんな中、ちょっと考えてしまったことがある。
ここ2カ月ぐらいで、Zoom参加の受け持ちクラスの学生達が、ビデオオフで顔を出さずに授業に参加するようになってしまった。学校は、学生達のWi-Fi環境などに考慮するとして、顔出しを強制していない。
これがどういった影響を与えるか。まず実感したことは、個人的に、私のこころが下向きになってしまうということだ。
「皆さん、音声聞こえますか?」「~についてどう思いますか?」・・・
問いかけても、無言。静寂。反応なし。(ときどき1~2人はgoodマークを出したり、答えたりして反応してくれるけど)四角がいくつも並んだ暗黒の世界(PC画面のこと)に、声をかけても、むなしいばかり。
ちゃんと聞いてる?
仮に個人的に指名しても、答えはしてくれるが、顔は出さない。こうなると、コミュニケーションが取れず、こちらから一方的に話しているに過ぎない。何か思いが伝わらない、私のテンション下がりまくり→同時に心も下向き・・・と負のスパイラルに。
授業後もやりきった感がなく、身体の奥底に、よどんだ気持ちが張り付いている。だから、どっと疲れる。
一方、顔を見ながら授業すると、学生達の心の動きも手に取るようにわかる。(以前を思い出して)
「ん?何か難しそうな顔してる。もう一度説明しなければ」
「お。目がキラキラしている。何とか理解してもらえたみたい」
こういったことが、瞬時にわかるとZoomでも効果的で、私もテンションがアップする。
きちんと相手を見て話すというのは、何物にもかえがたいものなのだ・・・と今更ながら、実感。
ある同僚の先生は、「こういう状況なんだと、個人的に割り切って考えている。だから、当てることもしない」とおっしゃっていた。
う~ん、日本語が母語の日本人大学生なら、こういった講義スタイルでも、まだ大丈夫だろう。(ビデオオフであっても)
しかし、
外国人留学生が学ぶ日本語の授業が、一方的講義スタイルでもいいのだろうか?
私はパソコンの画面ではなく、学生達をきちんと見て話したい!学生達と心を通い合わせたい!
学校からオンライン授業についてのアンケートがきたので、今の思いを全て伝えた。
10月から学校の方針が変わってくれることを今は、切に祈るばかりだ。
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