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新!記野式:サクッと!ゲーム業界講座 9月前半号

こんにちは。残暑が続きますが、今月末には東京ゲームショウ(TGS)2024 が開催されます。私も久しぶりに4日間参加する予定で準備でバタバタしています。日本のゲーム業界にとっては最大のイベントですから、それぞれの方がそれぞれのお立場でお忙しい時期です。季節の変わり目でもありますので、体調に気をつけながらも、TGSをしっかり楽しみたいですね。

さて、今号のまえがきは8月末に発表されたタイトル2本に関する明暗に関して深堀してみました。そのあとNewzooがレポートしてくれたMAUで見る2024年7月のゲームソフトランキング、そしていつも通りのイギリス市場週間ソフトウェアランキング、その他のニュースへと続きます。

本記事での為替レートは1ドル=143円、1中国元=20円で計算しています。株価と為替の乱高下が止まりません…。


<記野式まえがき:明暗を分けたタイトルリリース>

8月後半に発売された遊戯科学(Game Science)の『Black Myth: Wukong(黒神話:悟空)』とソニーの『CONCORD(コンコード)』。発売日3日違いのこの2タイトルの明暗が大きかったので、さまざまな視点で深堀をしていきます。

1.Black Myth: Wukong(黒神話:悟空)

中国の開発会社である遊戯科学(Game Science)が8月20日に発売した『Black Myth: Wukong(黒神話:悟空)』が大ヒットしています。

(1)どんだけすごいか?というと!

対象プラットフォームはPC(Steam/Epic Games Store/WeGame(中国TencentのPCポータル))とPlayStation 5となっていますが、発売4日間で1,000万本を売り上げ、リリースから1時間も経たないうちにオンライン同時接続人数が100万人を超えていたことがニュースになっていました。

また、コラボグッズの売上は発売初日まで(発売前)の集計で1,500万元(約3億円)に達しています。中国コントローラーメーカー8BitDoは『Black Myth: Wukong(黒神話:悟空)』のグローバル公式パートナーになっており、専用コントローラーを発売しています。すでに20,000個以上を売り上げ、品切れになっている模様です。

また、その他 Lenovo、Luckin Coffee などとさまざまなコラボレーションが行われており、人気の様子がうかがえます。

その後PC版だけで発売2週間以内に1,800万本を売り上げ、同時接続人数は300万人を超えていることがわかりました。9月5日(アメリカ時間)Forbes誌によると、9月5日(アメリカ時間)時点で約8億ドル(約1,144億円)の売上額を叩き出しているとのこと。

でも一番すごいことはこのタイトルはPC、PlayStation 5向けで「デジタル版」しかないこと。これらの売上本数はすべてダウンロードされたものなのですよ。このタイトルが中国で大人気になったことで中国国内市場におけるPlayStation 5 が売り切れになったとのニュースも入ってきました。

Bloombergによると、このタイトルの開発には6年を要し、開発費は7,000万ドル(約100億円)とのこと、上述の通り、売上が約8億ドル(約1,144億円)ですから秒で回収が終わった計算になりますね。

近々Xbox Series X|S にも移植されるのでは?と噂されている同タイトルの売上はどこまで伸びるのでしょうか?

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