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新!記野式:サクッと!ゲーム業界講座 1月前半号

あけましておめでとうございます。本年も「記野式」をよろしくお願い申し上げます。

新年早々ですが、1月6日発売の「週刊ダイヤモンド」新春合併特大号において2本ほど記事を書かせていただきました。「日本のゲーム」の特集をされております。ご一読賜れれば幸甚です。

ダイヤモンドオンラインでも同様に記事が上がっています。どちらも内容はほぼ同じです。雑誌でもオンラインでもお読みいただければ嬉しいです。

と、記事紹介はこれくらいにして、皆様への2025年最初の記事に参りましょう!

まえがきは「トランプ氏アメリカ大統領に伴うエンタメ産業への影響を考えてみた」。それから前半号恒例の最新イギリス週間ランキング。続いてアメリカの最新WAU(Weekly Active Users:週間アクティブユーザー数)ランキング、最新Steam週間ランキングが続きます。

そのあとBain &Company が年末に発表したレポートからゲーマー動向レポート、VRとハードウェア関連ニュースに続いて最後に「その他のニュース」でおしまい。サクッと読んでいただけますと幸いです。

今号の為替レートは、1ドル=158円、1ポンド=194円で計算しています。


<記野式まえがき:トランプ氏アメリカ大統領に伴うエンタメ産業への影響を考えてみた>

1月20日(現地時間)トランプ氏が大統領に返り咲くわけですが、前回のような IT/テック企業との全面対決は行われず、どちらかというと IT/テック企業がトランプ氏に歩み寄る形が見えます。テスラ、Xのイーロン・マスク氏の政権への参加も影響しているでしょうが、前回のトランプ政権と産業界の関係とは大きく違う様相が見えています。

1.Meta(旧Facebook) の方向転換

Metaは、Facebook および Instagram のファクトチェックを廃止します。フェイク情報の疑いがあるテキストや画像、映像についてファクトチェッカーが虚偽、改変、一部虚偽などと判断した場合、投稿の表示を減らしてラベルをつけて投稿を共有しようとする人に警告するもので、Metaが外部の独立した機関に照会して評価していました。

これは、トランプ氏がFacebookに対して批判してきた「Facebookは右派への検閲を行っている」という批判に対して呼応したものだと考えられており、Meta のCEOであるサッカーバーグ氏が最近トランプ氏に直接伝えたようで、トランプ氏は「Meta は大きな進歩を遂げた」と評価しています。

ちょっと回りくどい言い方ですが、要はフェイク投稿に対する「検閲」を止めます、ということ。「ファクトチェッカーにより多くの無害なコンテンツが検閲されて多くの人々が警告を受けたり、アカウントをバンされたり。それに対する申し立てを起こしたとてその対応はあまりに遅く、誤って取り締まった人たちのFacebook離れにつながっている」とコメントしています。

いやいや…トランプ氏にスリスリしたんだろ?ってのが下馬評ではありますが、会社経営者としては苦しい決断だったのかもしれません。前回のトランプ大統領時代に苦汁を飲まされたわけですから、ココでイーロン・マスク氏を見習って懐に入ろうというのも理解はできます。

誤解なきようにお伝えしておきますが、ファクトチェック停止はアメリカ国内のみの対応です。なぜならば、プラットフォーム側のコンテンツに関する責任がより重い方向にシフトしているヨーロッパやイギリスとは真逆のアプローチであるからです。

とはいえ、アメリカ限定であろうともフリーハンドで自由な投稿に全く介入しないわけではありません。代替として「コミュニティノート・システム」を採用します。これは、ポストに間違いや誤解を招くと思われる投稿に対してユーザーたちがノートを追記して補足するというもので、イーロン・マスク氏の X(旧Twitter)で採用されている方法です。

「表現の自由」が「他人の尊厳」の上位にあるのか?という究極の議論ではありますが、IT/テック企業はこれまで、ハラスメントやヘイトスピーチ、フェイク情報に対処するシステム構築要求の圧力に直面してきたものの、トランプ政権の成立で急速な真逆方向への揺り戻しが進んでいると語っている有識者もいます。

2.DEI、ポリコレ対応との決別

DEI とは Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字を取った略称です。記野式でも「ポリコレ(Political Correctness:政治的正当性)」については語ってきていますが、Diversity(多様性)が尊重され、あらゆる差別的な表現をなくしていこうという動きが加速していました。

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