ゲンロン戦記
若くして著名になった批評家の東浩紀が大学を辞めてから主要な活動の場としたゲンロンという会社での悪戦苦闘を描いたものである.ご本人が語っているように,さまざまな失敗について反省的に述べられている.
知識人の身の振り方として,なかなかそのような選択をする人はいないと思うが,もちろん考えがあってそのような選択がなされたこととは思うので,とても興味深い.
ゲンロンはその名の通り,さまざまな言論活動を組織するものである.いまではその一つの柱となっているのが,ゲンロンによって運営されているゲンロンカフェで開催されるトークイベントである.私自身は首都圏在住ではないのでゲンロンカフェを直接訪ねたことはないが,ゲンロンカフェのイベント動画は購入してよく視聴している.最近,Shirasuという独自のプラットフォームが作られ,ゲンロンのイベントはこちらに重心が移されていくようだ.しかもそれは単にプラットフォームというのではなく,社会を変える活動拠点として考えているようだ.果たして,その思惑通りの展開になるか,見守りたい.