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お味噌づくり備忘録 2024《前編》

今年1月にオンライン参加した味噌作りワークショップで仕込んだお味噌が完成しました。

じゃん!(拍手〜)

左が今年作ったお味噌。
昨シーズン仕込んだ右のお味噌とはガラリと違った表情に仕上がった。

ワークショップを企画してくださったのは、オンラインでお料理を主宰していらっしゃるvicke(ビッケ)さん。

音声配信サービス「stand.fm(以下スタエフ)」でお料理や暮らしにまつわるお話をされているのをふと見つけて以来、大ファンです。

vickeさんも、同じくvickeさんが好きで集まってくる食いしん坊仲間さんたちも、みんな温かい人たちばかり。とっても心地のいいコミュニティを自然につくってしまう天才だと思っています。

そのスタエフつながりの面々を中心に「シュフ手づくり味噌の会」と題し総勢20名以上の方々と一緒に、離れた台所を繋いで仕込んだ、私たちのかわいい手前味噌のこと。

また次の冬がやってきたら、きっと思い出しておさらいしたいタイミングが来るだろうなと思うので、ここに振り返っておくことにします。

zoomの画面には味噌づくり仲間たちの台所がずらりと並んだ。

ワークショップ当日までの準備

ローマは一日にしてならず。
味噌づくりも然り。

ワークショップ当日の作業だけではお味噌は完成しません。

味噌づくりの経験は何度かありましたが、手慣れた方と一緒に作ってなんとなく出来てしまっていた年もあったり、なにせ年に一度のこと。
一から十まで自分の手で、となるとやはり不安になるものです。

でも大丈夫。
vicke先生が先まわりをして、誰も置いてきぼりにならないよう要所要所にナイスな工夫を織り込んでくれていました。

農家さんの自家製キットが心強かった

まずは材料の調達。
シンプルな材料ではあるけれど、ひとつひとつぬかりなく揃えるとなると思った以上に骨が折れるものです。

今回は、vickeさんがおすすめしてくださった農家さんのキットを使ってみることにしました。

山形県鶴岡市でお米や豆類を生産されている與惣兵衛(よそべい)さん。
大豆も、麹になるお米も自家製という、出所がちゃんとわかる安心のキットを販売されています。

vickeさんのルーツでもある山形県の與惣兵衛(よそべい)さんの「育てみそ」セット。

材料集めに右往左往して初っ端から躓きたくなかった不精者の私は、仕込み樽もついた出来上がり2kgのセットを迷わずポチリ。
これで材料の計量まで完了したことになるので、仕込みへの取り掛かりが気持ちの上でも非常にスムーズになります。
おまけでついて来たお味噌が、これまた美味しくて!
こんなお味噌に育つといいな、と期待が膨らみます。

宿題でさっそく芽生えるチームワーク

材料が揃ったら、次のステップ。
「前日までに豆を煮て下ごしらえしておいてね」という宿題が出ていました。
味噌づくりの記憶を辿ると、実はこの工程こそ、地味だけど時間も手間もわりとかかったなという印象があります。

浸水中の大豆。まん丸だった形から水を吸ってぷっくり豆型に膨れていく姿がなんともいとおしい。

そこで心強かったのが、事前に開いてくださっていたオープンチャットの存在。
参加者同士気軽に連絡をとり合うことができ、さらにはその中でビッケさんやお味噌づくりのベテランメンバーさんからアドバイスをいただけるという手厚いサポートつきです。

ああでもない、こうでもない、とチャットラインは瞬く間にわちゃわちゃと盛り上がり、みんなが徐々に足並みを揃えて行く感じが、本番前からもうすでに楽しい。
そういうところがvickeさんなのです。

宿題だった大豆の下ごしらえも楽しくクリアできた。

お味噌づくり会当日のこと

そして迎えたワークショップ当日。
下ごしらえは終わっているので、あとは大豆と麹、塩を混ぜ合わせてペースト状にして容器に詰めればゴールです。
ワイワイとおしゃべりしながら楽しむもよし、黙々と没頭するもよし。

20人超のメンバーが同じ画面に集い、一斉に豆いじりをスタートさせる様はなかなかの圧巻。
面白い時代になったし、乗っかって面白がれているから見られる眺めだなぁと。楽しい!

一緒ならあっという間!はリアルもオンラインも同じ

「みんな何を使って潰している?」
「どれくらいつぶつぶ残っている?」
「詰める容器の大きさどれくらい?」

作業を進めていくと、ちょっとした疑問が浮かんできます。道具のこと、仕上がりの見極め、保存方法のこと…。
20人以上もいれば、誰かしらからぽんぽんその場で出てきます。「言われてみれば謎だな」というような、自分ではすぐに思いつかなかったこともたくさん。都度みんなでシェアしてベテランさんのアドバイスをもらいながら進めていきます。
下ごしらえのときのオープンチャットもそうでしたが、これがとてもありがたい。
気がつけば樽詰め完了まであっという間でした。
ひとりひとり別の場所でやっているはずなのに、みんなで取り組むと捗るのはリアルもオンラインも同じだなぁ。

さてzoomでのワークショップは、ここまで。
あとは時間にバトンタッチして、おいしく熟成が進んで行くのを待つのみです。

仕込みが完了したお味噌。容器もキットについて来たものだからもちろんちゃんと収まった。重石用のスペースもばっちり。

今回はじめて取り入れたみたこと

そうそう、今までのお味噌づくりではしなかったけれど、今回初めてやってみた、ということがふたつありました。

ひとつは、ベテラン味噌づくりメンバーさんに教わった「漬け物袋」に入れて寝かせること。

仕込んだお味噌を熟成用の樽に収める際、容器に直接詰めるのではなく、漬け物用のビニール袋を容器に被せてから行うというもの。

はじめての漬け物袋利用。実は存在も初めて知った。

こんな感じで、袋と容器の二重にして保存することになります。
これから常温に置くにあたって心配な匂い漏れや、容器への匂い・色移りも気にならなくなるといいかな、という期待を込めて。

そしてもう一つ今回はじめて取り入れたのが、仕上げに酒粕で蓋をすること。
必要のない雑菌の増殖を防ぐ目的で行うもので、気になっていた方法ですが、不精な私はお味噌が仕込めたことに満足してしまい、その後は適当に塩だけ振っていつもほったらかしでした。そしてその後のカビとりに難儀する…の繰り返し。

ワークショップでも酒粕の話題が出ていたこともあり「お手入れがラクになるなら、もうひと頑張り、今のうちにやってみよう!」と一念発起して酒粕を手に入れて来ました。

ワークショップのあと取り急ぎ最寄りのスーパーで手に入れてきた酒粕。250g入りのもので十分足りた。

まずはちぎってなんとなく敷き詰めてみるのですが、なんかモヤモヤ…。
そうでした。私、基本的にはものぐさで雑なくせに、妙なことででやたら細かくなる隠れA型気質なのです。

とりあえずちぎって敷き詰めてみた。これでいいのかもしれないけど、ムズムズきてしまった(笑)

「蓋というのならもっとピタッとしたい!」
と変なスイッチが入ってしまい、いったんすべて回収して再度敷き込むことに。
時は酒粕を手に入れるついでに夕方の買い物に行った後のこと。粘土遊びに没頭する子どものように、もう夕飯の準備なんてそっちのけです…

2度目はちぎってバラバラだった酒粕をまとめて、綿棒で伸ばす作戦に変更。
うまくつながり、厚さもそれなりに均等、上から覗く限りお味噌はすっかり隠れました。

2回目は俄然蓋らしくなった。良しとしよう。

少し残った酒粕は、お湯とお砂糖で溶いて甘酒にしていただきました。仕込みからここまで、頑張ったご褒美です。
うーんほっこり。(そしてスッキリ!)

残った酒粕は甘酒に。一緒に参加していた方は粕汁を作ったりお魚を漬け込んだり。すっきり使い切る楽しみ。

おわりに

以上が1月の仕込みまでの流れです。
今が10月ですから、季節で言えばまもなく一周。
ずいぶんと前に思えるけれど、出来上がったお味噌と、ひっぱりだしてきた写真を見ていたら案外ありありと思い出せるものだなぁ。

願掛けもぬかりなく。

長くなってきたので、時を経て仕上がった今年のお味噌のお話は、「後編」ということで次に綴りたいと思います。

楽しい場を準備してくださったvickeさんとスペシャルサポーターのkazukoさん、一緒にお味噌づくりを満喫させていただいた参加者のみなさまに改めて、ありがとうございました。

おまけ

stand.fmでもお味噌づくりのお話を残していました。
何を話していたっけ、と確認のために久しぶりに聴きましたが、やっぱり大満足だったようです。
vickeさんの配信とあわせてこちらにも残しておきます。

サムネイルのvickeさんのチャーミングな笑顔ったら、もう。

それでは、また次回に!

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