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地元感覚をつくる旅。

なんとなく「地元に帰ってきたような感覚」を抱く場所はどんな場所だろうか?自分が生まれ育った場所ではなく、例えばおばあちゃんの家がある場所は学生時代に1人暮らしをしていた場所のような、その場所を全部知ることはできていないけど、観光客とは違うような感覚を抱く場所。地元じゃない、地元。


今日は静岡市の蒲原という地区で「トイタ市」というイベントがあった。

蒲原の旧東海道を中心に、軒先で「戸板」の上で様々な商品を販売する「お散歩形」のイベントだ。

蒲原と私はいろいろなご縁があり、昨年度に古民家でイベントを開催させてもらっていた。その中で、蒲原に住む人と交流し、学んできた。

4年生になり、またコロナさんが来てからは、蒲原に行く機会も減っていた。その時にトイタ市を仕掛けた方とお会いする機会をいただいた。

その方は、蒲原で「BACKPACAKERS HOSTEL TSUBAMENOYADO」を運営しているのだが、彼の人柄を知れば知るほど、この人と出会えてよかったなと思う。コロナさんが来て、宿の運営も大変な中、1度くらいしか会ったことのない私に連絡をしてくれて、社会への鬱憤を一緒に悩んでくれた。とても忙しい方で、多くの人と出会い、見送る彼だからこそ、「おもてなし」を着飾らずにしてくださる。

そんな等身大で接してくれる彼が、地域や友人と一緒に開催したイベント。静岡市内でもコロナウィルスのPCR検査の陽性者が増えている中でも、様々な工夫を凝らしたイベントだった。

お昼は、尊敬する女将さんが営むやましちさんで。彼女は、初めてお会いした時から、いろいろなことを教えてくださった。蒲原の歴史のことだけでなく、彼女自身が興味があることや「2階」に飾っている帯のこと。ムスリムのお客様にも最上級のおもてなしをするために勉強していることも。今日は、最近勉強をしている「お茶」のことを教えてくださった。大井川にある家康のお茶蔵の面白さも語ってくれた。彼女に会う度に、いつもたくさんのお土産をいただく。やましちさんは、鮨処なのだけど、実は、きっとこの「やましち」という場所が情報の発信源となって様々な方向に枝分かれしているのだろう。

そして、空遊庵(くゆうあん)というアンテナショップにもお邪魔した。手づくりジャムを販売し、時々、手打ちそば体験をしている場所だ。ジャムは20種類以上あり、晩白柚やオレンジのマーマレードジャムから、なすやたまねぎ、すいかなどの「変わり種」のジャムもある。店主に30分くらいお話を伺っていた。その時間の中で「どのジャムがおススメですか?」と聞くと、「男の好みもそれぞれなのと同じでジャムも好みがある」と。なるほど。深いような気もする。そんなユーモア溢れるお父さんにまた人生相談に来たい、ジャムの瓶を返すと30円返ってくるので、それを口実にして。

私がこの蒲原という地区に関わったのは1年くらいで、行くのも月に1回くらいだった。けれど、なんとなく「帰ってきたな」みたいな感覚がある。それは、蒲原という地区に少し関わると分かるのだが、着飾らない「おもてなし」をしてくれる人が多いからこそなのかもしれない。自分の経験や持っている知識を教えてくれる人がたくさんいて、それを楽しそうに身振り手振り、時には写真を見せながら紹介してくれる。

こういう「地元な感覚」を感じることができる場所を増やしていきたい。

それは、日本国内でも海外でも。

さて、次はどこへ「地元探し」に出掛けよう。

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Kyoka
新しい景色を訪ねたいと思っています。そして、そこで感じた、音や風、空気、人の温かさをnoteに。

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