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バトル オブ 雲梯(サムヒデ)

年中か年長の頃、幼稚園で雲梯ブームがあったんですよ。
休み時間になると、男子全員雲梯集合!みたいな。

それで、何して遊んでたかっていうと、
ただ雲梯を渡るわけじゃなくて、バトルしてました。

最初に、雲梯(ウンテイ)の右端と左端のスタート地点に対戦する二人がスタンバイするんですよ。
それで、ヨーイドンで2人が同時にスタートして、
早い遅いはあるけど、だいたい真ん中位で二人がかち合うんです。
そしたらバトルスタート!
お互いが相手を雲梯から落とすために、
足で相手を蟹挟みして下に落とすんです。

この遊び、めちゃくちゃやってました。
落とされた方は最初に戻って再スタート、
勝った方は先に進んで、最初にゴールした人が勝ちというね。

このゲームね、結構白熱しまして、
かにばさみで雲梯から落とされると、ズボンとか簡単に脱げるんですよ。
だから、ズボンとパンツがずり落ろされた上に下にも落とされて、
生尻を地面に打ち付けるとかざらでしたね。
この時の、ズボンがずり落ちる感覚、今でも鮮明に覚えてますよ。
雲梯の冷たさとか、後半に行くにつれて次第に踏ん張りがきかなくなっていく感覚も、
こういう”感触”みたいなのが記憶されてるって結構おもしろいですね。

ちなみに僕はズボンを下ろされるのが絶対に嫌だったので、
ズボンの紐を限界まで引っ張ってぎゅうぎゅうに縛っていたので、
ズボンを下ろされる事はほぼ無かったですよ。
でもトイレに行ったとき、固結びしたズボンの紐がほどけずに・・
いや、話がそれましたね(笑)

そうそう、思い出したんですが、
僕はかにばさみでズボンおろされちゃうのがすごく嫌だったから、
雲梯バトルの時に相手の子をかにばさみする時、
おしりじゃなくて、腰を挟むようにしてましたね。
なんていうか、紳士協定みたいな。
この遊び自体が、お互いが同条件からスタートするっていう
ある種の平等というか、スポーツマンシップみたいなのがあって、
そういうところも好きな理由でしたね。

すごく大きな雲梯で、
当時は進んでも進んでもゴール出来ないと思っていたんだけど、
中学の時に幼稚園の前を通りかかって見てみたんですよ雲梯。
そしたら園庭の片隅に、小さな小さな雲梯がポツンとありました。

僕はその時、「小さいな」と呟いたのだけど、
その声は誰の耳にも届かず宙へと消えて行きました。

大人になった今、いるいろんな大きな問題がどんどん現れる。
だけど、今は大きすぎる問題も、
あとから見たらすごく小さく感じるのかなって思います。

そう、あの時の雲梯のように。

※この内容はインタビューのメモです。


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