音楽の処方箋 その5「除湿効果抜群!心をカラッとさせる音楽」
季節は梅雨真っ只中。九州の様子を報道で目にする度、不安を募らせる日々です。おまけにこの蒸し暑さ!自粛を終えて動き始めた身体には余計堪えます。
実際のお天気、気候はともかく、あなたの心のお天気、気候はどうでしょうか。
快晴でしょうか。それとも曇り空?雨模様?雷鳴が轟いている方もいらっしゃるかもしれません。
気温や湿度はいかがでしょう。快適ですか?
心の雨が降りやまず、気温も湿度も高くてジメジメ…と感じているあなた。
今回は高い除湿効果を誇る二曲を処方いたします。カビ予防に加えて、心のお天気までカラッとした快晴へ導いてくれる、そんな作品です。
まずは内山から。
ブルッフ作曲:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26より第3楽章
燃えるようなエネルギーに溢れたヴァイオリンソロ、そして壮大なオーケストラは、心のジメジメを吹き飛ばして、スカッとさせてくれます。
オーケストラによって提示される叙情的な第2主題は明るく甘美で、これぞヴァイオリン協奏曲!といったところ。
是非全ての楽章をお聴き頂きたいのですが、この最終楽章は全体に村のお祭りのような雰囲気があります。
夏祭りの中止が相次ぎ、ガックリ肩を落としているそこの貴方。賑やかだけれどロマンティックなこの作品で、例年とは一味違うお祭りを満喫できるかもしれません。
続いて山下からはこちら。
スペインの作曲家、マヌエル・デ・ファリャによる全2幕のオペラ「はかなき人生」よりスペイン舞曲。ピアノ独奏やヴァイオリン、オーケストラなど演奏形態は様々ですが、現在では単独で演奏されることの多い曲です。
オーケストラの波に乗って現れる小気味良く乾いたカスタネットの音が湿気を吹き飛ばしてくれそうですね。ジメジメとした空気に怠さを感じていた身体も、姿勢を正されるかのようにシャキッとしてきます。
叩くというシンプルな奏法にも関わらず、多様な表情を出すカスタネットという楽器の奥深さが感じられるのではないでしょうか。
奏者から溢れ出る気迫と自在に操られる音色、表情の変化も大きな見どころです。
湿度に負けている自分のなんと軟弱なことか、しっかりせねばと気合いの入る一曲です。
いかがでしたか?湿気を吹き飛ばし、熱い気持ちにさせてくれる名曲で、快適な夏をお過ごし下さい!