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『クレール』 オード・ピコー

1800円という価格に「ぐぇっ」となるも、「私は本や漫画のためにお金をけちらない人間でありたい」とレジに持って行った。漫画としては高い。小説なら、なくはない値段。漫画が小説より価値が低いと言っているわけではない。(私が一番好きなメディアは漫画です)私は漫画を読み終えるのが異様に早いので時間に対する費用対効果的な問題。漫画30分で1800円なのか、映画2時間で1900円なのか、小説1週間で1800円なのか。

左からページが始まる、元が日本語ではない漫画を読むのは初めて。クレールちゃんは新生児室(NICU)に勤める32歳の看護師。場所はパリなのかな?とりあえず、ちょっとぽっちゃりとしたフランス女性。友人が結婚したり子供を産んだりするも、クレールちゃんはなかなか運命の人に出会えない。日本人独身女性のコミックエッセイだったりすると、異性関係はけっこう早々にあきらめて美味しいものを食べたり、趣味にいそしむけれど、そこはフランス人らしく、しっかり肉食。ラブアフェアは起きるけれど、一緒に寝たりもするけれど、そこからお互いをパートナーにするまでに溝がある。

ふと「なんだかなあ」「私、頑張ってるはずなんだけど、なんでうまくいってないのかなあ」と思う気持ちは日本もフランスも一緒。「クレールぅ、あたしはあんたが好きだよ!」とハグしたくなる。この気持ち、『Sex and the City』のキャリーにも感じたっけ。ということはアメリカも一緒。韓国も中国もスペインでもアルゼンチンでも、ナイジェリアでも、女子は今日もたくましく生きているのだ。心に血をだらだら流しながら。そして、人の痛みに寄り添える女性になっていく。

漫画265 クレール パリの女の子が探す「幸せ」な「普通」の日々


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