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『わざわざの働きかた』
JUNE 6, 2018 Instagram掲載
この本はamazonに売っていない。なぜなら自費出版で、「わざわざ 」という会社の採用ツールで会社案内だから。
長野県にある「わざわざ」行かなきゃならない山の上のパン屋さん。2009年に旦那さんの転勤で長野にやってきた平野さんが一人ではじめたお店は、2018年にスタッフは13人となり、昨年2017年の年商は1億7000万円を超えた。パンは2種類だけで、オリジナル製品含む食品や雑貨など日用品の扱いは2000品にのぼる。
たまたまTwitterで「山の上のパン屋に人が集まるわけ」という記事を見つけた。「わざわざ」代表取締役 平田はる香さんによるもので、具体的な数値や業態変化を挙げつつ、どっしりとした想いも伝わるものだった。
平田さんは数々の失敗と試行錯誤、軌道修正をしてきている。
パンの種類を2種類まで減らしたら、キャラメルナッツベーグルをいつも遠くから買いにくるおじさん含むお客さんがどんどん減っていった。でも睡眠時間と美味しさが増し、全国から注文が入るようになった。組織をトップダウン型から、「円」で繋がりとパワーバランスを表してみたら、少人数で機動力のある組織につながった。(これでレポートラインもわかる)アルバイトからシフトをなくし、働きたい時に働く自由な働きかたを実現した、とか。こういう試みが惜しげもなくたっぷり公開されている。
採用や人材育成についても記載されている。わざわざでは、人が短期で辞めてしまうことが続いたそうだ。その対策として、入社前の理想と現実のギャップを小さくしようと作られたのがこの本。初版を2017年2月に作って今年5月までに8名の採用に至っている。 「長野のこだわりパン屋さん」というとホンワカして素敵と思ってしまいそうなところだけど、ここは仮説と検証を回しまくっている、ある意味ベンチャーのようなところだと思う。
私は自分の頭で考えて実行している人が好きで、起業家や店主の本を読む。ホリエモンとか鳥取のタルマーリーとか、新宿ベルクとか。感銘を受けると同時に、す、すごい…人はこんなにできるのか…と圧倒される。今回も。
19. わざわざの働きかた