『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』 ちきりん
リノベする予定も、家を買う予定も、引っ越す予定もない。でもなぜこの本を読んだかと言えば、Twitterでちきりんさんが、「スーツケースを広げるために玄関の土足スペースを増やした」というリノベの話を書いていたからだ。まあ!なんて便利!それいい!!と思ったのだ。私は、駅はじめ、近所の道など外界を転がってきたスーツケースを家の中に上げるのに抵抗がある。
ちきりんさんが20年住むマンションをリノベする話。リノベを決めた発端の出来事から業者選び、施工、完成、住んでみての感想までの全プロジェクトがポイントを押さえて事細かに紹介されている。さらに親の家の介護リノベへの提案まである。私は家を買ったこともなくてその辺の知識が全くないのだけれど、購入時にもらった図面と実際が異なったり、ガス管などを通す穴の大きさが建築材をはがさないとわからないことがあるのだそう。高い買い物なのに、そんなレベルなのか。
業界や補助金の仕組み、リノベ時の引っ越し、★金額(シンプルプランとこだわりプラン)なども網羅されていて至れり尽くせり。特に感銘を受けたのはリノベ業者選び。個別相談から現地下見、そして最終的にどのリノベ業者に決めたのか。東京に数あるリノベ業者から、何を基準に個別相談する企業を選んだのか。見積の内訳ももちろん違うし、ミストサウナの設置についても、業者によって『つけられる、つけられない、条件次第』と回答が異なる状況。さて、ちきりんさんは何を基準に施工業者を決めたのでしょう?
この本の特にすばらしいところは、上記リノベ業者の選定のように、各プロセスにおける判断基準をきっちりと書いてくれたところだと思う。数字で「あれを減らせばxx万円減る」と考えることは比較的たやすい。だけど、何を基準に、何を優先事項にするか、ということは大事なことでありながら、そもそも重要な項目を思いつかなかったりもする。リノベをするなら絶対に目を通しておいた方がいい。
聡明なちきりんさんも(当たり前すぎることだけれど)知らない世界があって、その新しい世界をどう探求していくか、どうしたら他の人に展開して役立てられるのか、というワクワクとキラキラも感じる本だった。私のように特にリノベ予定がなくても、才知溢れる人による一大プロジェクトを見守るという体でも楽しい本。もちろんリノベのBefore Afterの写真が面白い!
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