『Hit Refresh(ヒット リフレッシュ)』サティア・ナデラ
「この人のためなら、と思わせる」と元マイクロソフトの澤円さんが話していて気になった。海外支社の一従業員にまで、そんなことを思わせるマイクロソフトCEOとはどんな人だろう?
ナデラさんは経済学者の父とサンスクリット語研究者の母の元でうまれたインド育ちのインド人。恵まれた家庭で育ち、インドであらゆるカーストの子供たちが集まる学校に通う。クリケットと詩を愛しながら、インドとアメリカで学位を取得しエンジニアとなり、働きながら経営学を学んでCEOになっていった人。
初期のマイクロソフトに加わったが、彼が経営者となる頃には、過去の成功を元に社内で新しいことができなくなったり、派閥がはびこったりするような状態で、外ではライバル企業が台東してきている状況。そこでタイトルのように、会社を『Hit refresh(再読み込みボタンを押す)』していく。創業社長が会社を立ち上げ、大きくしていくのとはまた違うアプローチが必要である。
彼はCEO就任にあたり、マイクロソフトという企業はどういうアイデンティティなのかを言語化する。聞くと「なるほど!」と思うようなシンプルな言葉だが、毎日の膨大な業務の中で、様々なステイクホルダーがいる中で、掘り出していくのは実に難しい。彼はこのアイデンティティを元に、従業員の内側の原動力を動かしていく。
モバイルOSやにうまく参入できなかったり、クラウド参入に遅れをとったり、最近のマイクロソフトは大変そう。でも、確かにナデラさんには「この人のためなら」と思わせる感じがあるのがわかった。安易に外部との競争をあおってモチベーションや団結力を上げようとするのではなく、もっと奥深くを見て、伝えたり形にする人みたいだ。
カリスマ創業社長の話は数あれど、二代目以降の社長話は少ないように感じる。(ナデラさんは三代目)日本企業や日本そのものも、過去のやり方から離れてリフレッシュしなければならないことがたくさんある。表面のことだけではなくて、深いところにある核に触れることが必要な時、ナデラさんのやり方がとても参考になる。
『Hit Refresh(ヒット リフレッシュ)』サティア・ナデラ
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