真の「あるがまま」と出会う
夏至の日はいつもより少し山奥を歩いてみました。
登山道とまでは言わないけれど、遊歩道と言えるほど整ってはいない静かな小道です。
観光シーズンは多くの人が山歩きを楽しむ場所のようですが、この日は私以外誰もおらず、人の雑念から離れた空間をひとり悠々と散策することができました。
とても気持ちがよかった…!!
と言いたいところだけれど
人気のない自然の中は正直、怖かった。
上を見上げれば、緑の葉がそよぎ青空が見える。
けれど足元は多くの枝葉に光が遮られ昼間だというのに薄暗い。
落石注意⚠️の看板が多く、実際、最近落ちたのだろうと思われる石が道幅を狭めているところもあった。
見えないけれど何かいるような?気にもなり…
ここで何かあったら私は見つけてもらえないぞ…
そんな不安がよぎってしまう。
普段、自然に触れて「癒される〜」などと言えるのは「安全」が確保されているからだとつくづく思ったのです。
本来、自然は怖いもので、いつ命を奪われてもおかしくない。
そう感じるから気が抜けなかった。
恐る恐る進んだ先に見事な滝が現れました。
静けさの中に轟音が響き渡る。
誰かが見ていても、いなくても、
光が当たってようと影っていようと、
風が吹こうが雨が降ろうが
すべてを受け止め、逆らうこともなく
ただそこに在って流れ続けている。
怖さと清々しさが共存している、その存在はとてつもなく大きかった…
対して自分はなんとちっぽけなのだろう。
人なんてどうやっても敵いやしない。
圧倒的な「あるがまま」を見せらて、謙虚な気持ちになり帰ってきました。
明日はいよいよ夏越しの大祓です。
この頃の世の有様には混沌を感じずにいられません。
けれどこれはきっと、新しいものが生まれる前触れなのでしょう。
怖さもあるけれど、楽しみでもある。
気を引き締めて、年の後半を慎ましく迎えたいと思います。