塾に入るの、いつにする?
戦略的中学受験のすすめ②
小学4年生の秋に塾の公開テストを受けてみることにした息子。塾に足を踏み入れるのも初めてなら、本格的なテストを受けるのも初めてな息子は、かなり緊張したおもむきで教室に入っていきました。
テストが終わって出てきたら、
「意外とオレ、できたよ!楽しかった!」と満足気な顔。
この時に、もし本人が「つまんなかった!やっぱり塾なんてヤダ!!」などと言い出したら諦めようと思っていただけに、予想以上の好反応に母は驚きました。
そして数日後に届いた結果。
「できた!」と言っていた息子の手応えとは裏腹に、結果はまぁ今まで小学校では取ってきたことのないような点数。そして入塾したら、5クラス中下から2番目のクラスになります、という案内が。
「なんだよ~おっかしいな~」と悔しがる息子を横目に、
「ははは・・・そっかそっか」母、苦笑い。
そりゃ全く勉強せずに挑んだんだから、前から一生懸命勉強してる子にかなわないのは当然よね。むしろ一番下のクラスじゃないことがすごいじゃないの!いいのよいいのよ、これからなんだから。
この時、4年生の11月。
新5年生は2月からスタートするから、区切りのいいその時に入塾すればいいんじゃない、もしくは慣らしで冬期講習だけ受けてみるというのもいいかもね、なんて息子に話したら…
息子「え、なんで?塾って今すぐ入れないの?」
私「え?いや、いつでも入れるけど、今からだと教わっても途中からで中途半端になっちゃうと思うんだけど?」
息子「そんなのいいから。オレは今すぐ入りたいの!」
世間の「塾なんて行きたくない!!」って言ってる子供の親からしたら、なんて羨ましい発言!って思われるかもしれません。。が!そんな4年生の授業を2か月だけ受けたって身につくのどんだけ?!と思うし、半年分の分厚いテキスト買わされるのに、ほとんど使わずに終わっちゃうじゃないの…と大人の財布事情を気にする母。。。
でもやりたいって言い出した時がチャンスだしなぁ~この機会を逃すことのほうがもったいないかなぁ~子供の2カ月先なんて考え方変わっちゃってる可能性あるしなぁ~と思い直し、
私「わかった。じゃあ塾行こう!でも塾っていっても色々あるし、やり方も雰囲気も違って相性もあると思うから、いくつかの塾の体験授業受けてみない?」
と、持ちかけたのです。そうしたら
息子「なんでそんなめんどくさいことしなきゃいけないんだよ!おれは○○(クラスで息子が勝手にライバル視している友達)が行ってる塾がいいんだよ!」
私「……わかったわかった。じゃあ一応そこの体験授業受けてみようよ(無料だし)」
息子「ヤダよ!!なんで入るって決めてるのに体験なんか受けなきゃいけないんだよ!それにみんな塾の決まったリュック持ってるのに、オレだけ違うカバンなんてヤダし!この塾に入れないんだったら、オレ塾行かねー!!」
でました。超がつく頑固者。こうなったら母はどうしようもありません。さらに、
息子「オレすぐ12月から入りたいんだけど。入れるか塾の先生に聞いてみて」
なんだその上から目線発言は?!
と思いましたが、せっかくやる気になっているところに水を差すのはやめようとグッとこらえ、塾に出向いて入塾案内を受けてきたのでした。
その塾は大手の進学塾で、その周辺には他にもたくさんの中学受験向けの塾がありました。こういうライバル塾が多い場所は、塾側も生き残りをかけてるのでベテラン先生がいることが多いのです。これが体験授業を諦めた理由の一つでもありました。この塾もおそらく評判のいい先生を集めているだろうと。事実、塾のパンフレットに載っている先生がその校舎にいましたし、同じ塾でも他の校舎は大学生のアルバイトの先生が多い、という所もあると聞きました。私も昔、学生時代に家庭教師のバイトをしましたが、学生のバイト先生と正社員の先生ではまず経験値が雲泥の差だし、授業や生徒に対する熱意が全然違うと思うのです。
こうして、息子待望の指定リュックと古新聞を出すのかと思うような量のテキストを持ち帰りました。そのピカピカの一式を見てテンション上がる息子。
そしてその日の夕ご飯のとき。
我が家は夫はおらず、私の両親と同居しているので、娘も合わせて5人で食卓を囲みます。全員がいる前で私は息子に尋ねました。
私「これで塾に入ることが決まって、中学受験を目指すことにしたんだよね。前から言ってるけど、これからかなりしんどくなるときもあるよ。たとえば友達と遊べる時間が減ったり、夏休みに旅行に行けなくなるかもしれないし、週末にも予定が入って妹にも色々ガマンさせなきゃいけなくなるかもしれない。でも、アナタがやりたいって決めたんだったらみんなで精一杯応援する。だから途中で簡単に『やっぱや~めた!』なんて言ったらダメだよ。それでも本当にやるの?」
息子「・・・わかった。やるよ。オレ頑張るよ!」
私「よし!じゃあこれからみんなでがんばろう~!」
実際、じゃあやめるなんてこの時に言われたら、せっかく購入した塾のピカピカセットは無駄になるのですが、そう言わないであろう息子の性格を踏まえた上での母の戦略でした。
あえて家族全員の前で「やります!」宣言をさせること。
やる気スイッチを入れるために仕向けました。こうした誘導ができるのは小学生ならではかなぁと思うのです。中学生だと「はいはい、やればいーんでしょ」と言われるのがオチな気がします。。
こうしてこれから2年以上にわたる我が家での受験生活がスタートしたわけですが、入塾後のことは、次回以降に書いていきたいと思います。