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協会のナッジ

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ナッジとは、「人間の心理を利用して行動を促す、うまく操る、さりげない仕掛け・優しいテクニック」。これを協会のために使ってみる
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2024年7月の記事一覧

コーヒーとワインのナッジ

今回もナッジについて。 前回のナッジはこれでした: 今回はコーヒーとワインにまつわる協会ナッジを紹介する。 コーヒー編一般的な傾向として、人はお金のことを考えているときは倫理観が薄まりやすい。 ちょっとダメになるというか。 たとえば…。 この違いに、何か意味はあるだろうか? 研究によれば、毎回コーヒー代を払う職場のほうが、不祥事が起きやすい。 文房具が私物化されたり、ハラスメントが発生する確率が上がる。 これは、 前者のケースでは、従業員がコーヒー代金について意

ベジファーストのナッジ

今回もナッジについて。 前回の復習:モラル・ライセンシング効果「モラル・ライセンシング効果」とは、 「いいこと」を言った後、一時的に「いいこと」を休む そんな傾向のことを指す。 自分が道徳的な行動をしたと感じた後に、その行動に対する自己満足感から、他の不道徳な行動を正当化する そんな傾向だともいえる。 SNSに環境愛あふれるすばらしい投稿をした後で、自宅で食品ロスを出す 道徳的な指導者や活動家が、しばしば言うこととすることが違っている 健康的な食事をした後、一時的に

「言う」人は「しない」のナッジ

今回もナッジについて。 (前回) なぜ医者の不養生が起きるのか?今回のナッジは、「モラル・ライセンシング」。 「いいこと」を言う人は、「いいこと」をしない という法則をご存じだろうか。 「熱帯雨林を救え」というメッセージをSNS投稿すれのは、たしかに「いいこと」。 だが、その後に実際に熱帯雨林の森林伐採を止めにアマゾンに行く人はまずいない。 まあ、「アマゾンに行く」なんて軽々しくできることじゃない。 南半球まで行くには費用もかかるし仕事だってそんなに休めない。 危険

返すもんかのナッジ

今回もナッジについて。 (前回) (前々回) ナッジとは同じ量の料理でも、小皿に盛るほうが、大皿に盛るよりも多く感じる。 多く感じるだけでなく、実際に満腹感も増すらしい。 そのため、食べ放題の店では客に小皿を提供し、何度もおかわりさせて 「たくさん食べた。元が取れた」 と思わせる工夫をしている。 こういうのを「ナッジ」という。 「ナッジ」とは、おおざっぱにいうと、 人間の心理を利用して行動を促すさりげない仕掛け・優しいテクニック を指す。 この大皿・小皿の効果は

カジノのナッジ

今やだれもが知っているであろう有名なハエの話から。 このアイデア自体は半世紀以上前からあったものらしい。 オランダが発祥だという。 古来から、人の行動を変えたいときは、 その重要性を論理的に説明すること 感情に訴えること が法則だと、考えられていた。 しかし、それでうまくいくこともあるが、うまくいかないことも多い。 「洗面所をきれいに使おう」と有名人やインフルエンサーが論理的に、あるいは情感たっぷりに説得しようとしても、政府が印象的な広告を出したとしても、おそらく