#30 Anemone
『忘却感染』,最終楽章.
I. プロローグ: 忘却 -OBLiViON-
以下、■■■■の日記より抜粋。
Thursday, 6th May 2021
晴天、火輪の下の邂逅。ペンに慣れないのだろうか、しきりに怪訝な目付きで手元を追っていた。
Wednesday, 12th May 2021「礼拝堂」
雨天、鍋底を焦がす傍ら、老婆心から電話で道を教える。認め切った頃には炭と化した韮が視界に入った。無論不味い。
Sunday, 6th June 2021「意思」
今晩のポテトサラダとオニオンスープは殊更上出来だった。マヨネーズは然程好きではないが、これなら良いかもしれない。紙に這う知識だけが全てではないということか。
Thursday, 10th June 2021
月夜、随分と剽軽なようで、話していると楽しい。しかし乍らやや頭が足りないのが玉に瑕だ。懸念点としては、毎度寝るのが遅れてしまう一点に尽きる。
Wednesday, 16th June 2021
初恋の相手の誕生日。何故私はこうも他人に纏わる日付を覚えるのに長けているのか、不思議でならない。こんなのを覚えているキャパシティがあるならこの前のオニオンスープのレシピをさっさと覚えたいものだ。
Friday, 2nd July 2021「密会」
日照り続きの日には今日のような雨が甚く有難いと思いつつ、いつもより明るいランタンに目を痛めた。奴の分の紙は無事だろうか。今宵の文調はやや柔らかめに。
Thursday, 23rd September 2021「海賊の拳」
写真を撮るのが下手なことをこれほど悔やむことがあったろうか。幾ら震える手に神経を集わせど鼓動は静まらず、何枚も何枚も酷い画だけが携帯の中に増え、結局何にも使わず、眠らせることにした。かといって顧みることもないだろう。
Saturday, 23rd October 2021「死神の繭」
ここまで長く話したのも初めてだったろう。紅玉や金剛石にも劣らぬ輝かしいその笑みをもっと見ていたかった。── そして、気付かぬべきだったことに気付いてしまった。
Friday, 29th October 2021
どうやら私はストーカー的な思考をするきらいがあるらしい。とはいえそれを抑えるのも難しい。本人に迷惑を掛けねばそれでいいか。
Wednesday, 8th December 2021
孤独に苛まれる身であっても声をかける物好きはいるらしく、乾いた土に水をかけられた花のように、不覚にも、心が靡いてしまった。
Monday, 31st January 2022
気付いてしまうと、一週間ですら長い。それが二カ月となると、最早永遠の時間のようにも感じられる。
Sunday, 6th February 2022
夢中になると盲目になり、そして目先の安寧を得ようとする心は判断力を損なわせる。闇鍋の方が幾分マシとも思える胸裡に様々な欲が渦巻いている。
Friday, 8th April 2022
今宵の災いの諸悪の根源の何たるかを糺すとするならば、それは他ならぬ私であり、図らずも精神的には三枝分かれのしこりが残った。東雲が吸い寄せられる時間にもなってきた。どうすればいいのだろうか。
Thursday, 5th May 2022
祝日が恨めしいという贅沢な悩み。仕方あるまい。また芋を茹でようか。
Thursday, 2nd June 2022「忘却感染」
何度目だったか。むしろ何回旅に出ただろうか。一体どれほど得るものがあったのだろうか。得たとして、それは真に意味を持つものだったのだろうか。また懲りもせずまんまと籠絡されてしまった私は、再び ───
Thursday, 16th June 2022「出航」
やはり目先の安寧に囚われてしまった。何をやっているのだろうか。浮ついた頭で何が出来るというのか。
Tuesday, 9th August 2022「寝坊した初音」
如何なる時、如何なる場所、如何なる人と歩めど、未だかつて孤独な虚根より他に見出すものはなかった。恐らくは、此度の旅路も、何も得るものがないまま、暗闇の中、自室で孤独に終わりを迎えるのだろうか。
Saturday, 22nd October 2022
まともに話す機会は暫くなくなってしまうだろう。それでも言葉は悉く喉に引っ掛かりすらせず、ただ平静を装って立ち尽くすことほかなかった.
Thursday, 6th April 2023「■■■■」
部屋に花を飾った。君の花であり、そして今の私の花でもある。買っておいた玉葱が萎れてしまった。そのうち買い足しに行こう。
Monday, 18th December 2023
歳を重ねると歳を重ねること自体を手放しに喜べなくなる。鈍色のエリカに顔を顰めた。私のポテトサラダは君のそれにはまだまだ遠く及ばないなと思った。
Sunday, 7th March 2024「1,037」
今日で終いだ。帰り際呼び止めることすら出来ない臆病さを恨む。きっと私の最期は、私以外の誰にも知られることなく、生ゴミとそこに集る蠅たちと共に腐る結末を迎えるのだろう。水っぽい雪の中、自らの足跡を時折振り返りながら、歩幅を大きく取り、夢に逃げ込むために家路を急いだ。
II. 構想
一番古いのは今回の「Anemone」で,これを元に一貫した1つのコンセプトのもとで続き物を作ってみようというのが「忘却感染」の始まりだった.無粋なので多くは語らぬが,まあタイトルと§1のテキストから考えてみてほしい.ヒントは「アネモネ」と「ダラスの惨劇」だ.
楽章という体裁を取ってはいるが,骨格となるのは「彼方に捧ぐ恋の詩」と「Anemone」で,「タナトスの繭」と「ダラスの惨劇」は前奏ないし間奏のようなものである.
続き物という性質上,曲にまつわる情報を伏せた方がいいかなということで,過去3回についてはnoteの解説を省略した.
続き物を作る上で1つだけ決めたことが,「次の曲と同じキーで終わる」ということ.Anemoneがイ短調で始まるのでダラスもイ短調で終わり,恋の詩がイ短調で始まりイ短調で終わるのでタナトスはイ短調で終わりダラスはイ短調で始まらなければならない.別に全部イ短調で終わらせる必要はなかったのだが,たまたま全部イ短調になった.
本当は繋げて再生すると1つの大きな曲になるように,テンポや拍子も調整しようかと思ったのだが,私の技量不足でそこまでは出来なかった点が心残りか.
III. 解説1: 第一楽章『タナトスの繭』
『忘却感染』の始まりを飾る曲.タナトスとはギリシア神話における死神である.次にくる「彼方に捧ぐ恋の詩」がかなり強めな曲なので,タナトスに関しては静かな前奏曲といった趣を目指した.
開幕早々から変なことをやっているわけで,通常ならいつもの手癖の神主進行でIV > V > VI > V(A♭ > B♭ > Cm > B♭)とかやっていそうなところだが,ここではIIm > IIIm > IV > IIImとした.IImとIVが何れもサブドミナントだからなんとかなっているのだろうか.
ハ短調なのだが,主要のトニックであるCmの出現は極力後回しにして浮遊感を狙った.なんならE♭ですら途中経過のために立ち寄ったようなものだし.
ハ短調から始まる理由なのだが,色々転調して最終的にイ短調に到ることを想定した上での選択である.次の「彼方に捧ぐ恋の詩」の開始のAmに繋げるためだ.
私が勝手に「kaleidoscopic modulation」と呼んでいるもので,この曲の根底にあるモチベーションを考えると,忙しなく転調するのは必須事項と言えたので,かなり複雑な経路を辿ることになる.開始のキーをn mollとすると,[C]でn+5 mollへ,[D]でn+3を経由して63小節目でn+1 mollへ至る.更にその後n−2 mollへ行き,同じことをやるとn+3 → n+1 → n−1 mollとなる.[I]からは更に[D]でやったことを再適用してn−1 → n−3 → n−5 mollへ行き,n−5 mollのIV > V > VIの進行を利用して最終的にn−3 mollに行き着く.n−3=aにすればよいのだから,開始のキーはa mollの半音3つ上のc mollにすればよいわけだ.
さて,曲の中身の話に戻ろう.開始から[B]までは先述通りIImスタートではっきりしないぷかぷか浮いたような感じを狙っている.一気に景色が変わるのが[C]からで,Csus4 → Cから転調先のIIIが共通していることを利用してヘ短調へ行く.
単なるD♭M7ではなく6thの音(シ♭)を入れているのがポイントで,これをやると何故かどことなく東アジアっぽくなる.次に来るCm7は普通といえば普通なのだが,経過音のレを,キーに従ってレ♭ではなく敢えてナチュラルにしている点がポイント.一瞬ハ短調に戻っているとも言えるだろう.別にここがフラットのままでも大丈夫なのだが,ナチュラルの方がなんかアクセントが効いていて良い(ような気がした)のでこうした.
[D]は半音ずつコードが下がる.内声の和音が結構印象的に効いてくるので落としたくないところ.最後のG#7(=A♭7)を利用して変ロ短調へ転調する.
[E]~[G]は[B]~[D]のキーが違うだけである.新しいのは[H]から.[C]や[F]と機能的には似ていて,後続する[I]が[D],[G]と同じなので,少々印象を変えるためにここは旋律を丸ごと付け替えた.ただ,後続の[I]が[D],[G]と異なるのは,使っているコードがIV > IIIではなくIV > Vとなっている点である.これを利用してイ短調へ向かうのである.Gはハ短調におけるIIIなのでこのまま冒頭に戻ることも出来るわけだ.
IV. 解説2: 第二楽章『彼方に捧ぐ恋の詩』
6/8拍子と3/4拍子を混ぜるリズムパターンはしばしばやる手法.オケアノスが顕著だろう.
オケアノスでは基本的に「6/8+3/4」という構造を維持して書いたのだが,今回のこの曲の場合はこれが逆転していたり,6/8と3/4を混ぜたような箇所があったりする.逆転するのは[E]の前半.「2セットだけ3/4+6/8に逆転した後,6/8+3/4を2セット」を2回繰り返す.[F]が特殊で,右手はずっと3/4なのだが,左手は6/8+3/4を繰り返している.
複数のBPMを併記する場合,変換がたまにこんがらがって間違ったBPMを掲載することがあるのだが,この曲もそうだった.本当は♩=240は♩.=160に等しいのだが,間違って当初は♩.=80と書いていた.危ないね.BPMの変換は「音符の長さが n 倍 ⇒ 数字を 1/n 倍」で出来る.今回は四分音符が1.5倍になるので,240÷1.5=160である.
脳内を勢いに乗せて一気に書き上げたような曲なのでそこまで解説するようなことはないので飛ばせるとこは飛ばす.最初の解説点は[D].ここでは,普段3度下の内声を入れているところを,歌モノっぽくするのに6度下も入れている.
続いて[E].本来ここは以下の[β]のように,ここまでの流れ通り6/8+3/4だった.ただ,単調さを消すために少し「裏切り」が欲しかったため,これを入れ替えて[α]のように3/4+6/8にしたのだ.
[F]で左手だけ3拍子なのも同じような理由で,私なりの「裏切り」の一種である.あとサビは3拍子の方が勢いが出る.
この曲は作曲順が特殊で,一番最初に出来たのはCメロ[I]である.機能的にはBメロ扱いにしてもいいのだが,濫用してこの旋律を陳腐化させたくない思いがあり,Cメロに採用した.次に出来たのがBメロ[E]で,次にサビ[F],Aメロ[C],そして最後に前奏・間奏・後奏である.
V. 解説3: 第三楽章『ダラスの惨劇』
ダラスの惨劇という題の意味するところは,まあググれば分かる.タイミング悪く,ちょうど今朝似たような事態が起こりかけたね()
具体的な旋律というよりは雰囲気重視の曲.この「↑→↓↓→↓」のパターンを終始印象付ける.サブドミナント2つ(F, Dm)を続けるのは通常は御法度だが,まあ雰囲気重視ということで許してほしい.冒頭から[A]に入るまでは空虚5度を保つ.BeethovenのSymphony No. 9の一楽章みたいな感じね.
冒頭から[B]の手前までの右手外声は鐘のようなイメージだ.[A]の左手は冒頭の両手を混ぜたような感じ.[B]は数少ない旋律その1.かなり前に「silent glimmer」という仮題でスケッチを取っていたものが出土したので使ってみた.
[C]でまた空虚5度ゾーンを経て,[D]は[B]のオク上ハモ有り.[E]でやっと旋律っぽいものその2.ここでリズムパターンが「↑→↓↓→↓」ではなく普通の3拍子となる.[G]からは半音上の変ロ短調に転調.半音上転調は正直説明することないね()
[H]は空虚5度っぽいのだがコードの兼ね合いで3度も少し含まれる.[I]は[B]と[D]のキメラのようなもので,オク上ではないがハモ有り.正直ここは[K]に到るための前段階のようなものなのでどうでもいい.で,その[K]が何なのかというと,実はAnemoneのサビの変奏である.分かりにくいが.
VI. 解説4: 最終楽章『Anemone』
曲の背景については§1,9のスクリプトから考えてみてほしい.アネモネという花は,このシリーズに関するすべてにおいて,あまりにも都合の良すぎた花だった.
音価を全部半分にして4/4の♩=88としてもよかったのだが,2分音符=88になったのにはわけがある.当初はアップテンポで,♩=176の4/4想定で書いていたのだが,何となくで遅いテンポにセルフアレンジしてみたものが思ったより良く,2/2の2分音符=88に変更したのである.その結果丸ごと編曲し直すことになったのが,まあ妥協はしたくない曲だったのでこれもまた一興だろう.
冒頭[A]はサビメロを利用したイントロ.変形小室進行で,Am > Fの後にG > CではなくC > G(or E, E/G#)である.16小節目のFmM7は手癖.結局こういうところのIVmを弾くのって気持ちいいから使っちゃうよね☆ [B]は特筆事項なし.
[C]は旋律自体が平坦なので強弱やアーティキュレーションのメリハリで色付けしたいところ.特に左手はモロでドラムなので.32,35小節目の音は隙間を埋めるために入れている音なのでなくてもいいぐらい軽めに.
[D]のモチーフは[E]以降のサビのモチーフを寸借している.左手3,4拍目(2/2なので厳密には2拍目と言った方が正確だが)はタム回し的な感じで飾り程度に.逆に46小節目の左手はスネア+バスドラのようにガッツリといく.コード的には44小節目の同主調ハ短調からの借用A♭以外は特段特別なことはやっていない.
[E]がサビなわけだが,1回のサビに限ってはほぼ言うことがない.1つだけ,最後の2小節の音が,残り2回のサビと異なる.1回目はミファミレド(シ)なのだが,2,3回目は後ろにCメロが来るので(移動ドで統一して書くと)ミファミドレとなる.
[G]-[H]の左手は,この曲が♩=176の4/4だった名残りである.[G]は明らかにロックにありがちなベースっぽい感じで,[H]はギターっぽい感じ.リアレンジにあたって普通のバラード然にしてもよかったのだが,残せるものは残せる範囲で残してしてみようかと思ってこうなった.
[K]はCメロ.こういうサビ終わりにくる2発目のサビ的な顔したCメロが大好き.分かりやすいのはすこっぷ氏の『クライヤ』の2サビ終わりのCメロ.
(これのURLを引っ張ってこようとYouTubeに行ったら投稿が10年以上も前なことに気付いて爆散しそうになった.)
[M]はかなり変なところで転調しているが,これはn-buna氏の影響である.
この白ゆきを初めて聴いたとき,まず初めに衝撃を受けたのは調整の自然さ.そして次に衝撃を受けたのが,ラスサビの「途中」での転調だった.こういう裏切り方があるのか!とかなり驚いた記憶がある.
ここから一気にn-bunaワールドに引き込まれたわけで,他にもウミユリ海底譚やヨヒラでも同じようにサビ内転調をしている.
ちなみに,これを更に友達の末永くんが発展させたのだが,彼はこれをアイラのラスサビに援用して,全体を通して半音上への転調のみを繰り返して,ハ長調から最終的に変ホ長調まで到達した.酔狂なことをやる男だよ全く.
閑話休題.まあ,ここではそんな,前々からやってみたかったことをやってみた感じだ.この後,更に半音上に転調するが,やっていることはここまで解説したことと同じなので飛ばす.
あと言及する必要があるのは[S]だろう.これまで,静かな終わり方をする曲は幾らでも作ってきたわけだが,その悉くがイントロや間奏を援用したメロディーで終わるのである.ただ,世の曲をみるとAメロで終わるものも割とあって,これをいつしかやってみたいなと思っていて,これも今回実行した形になった.ポイントは,本来Bメロのアウフタクト要員である最後の♩♫♩のフレーズで終始するということ.しかも偽終止ではなく,一応トニックのDで終わっているので完全終止だ.
VII. 楽譜・音源配布
Anemoneのファイルのみ.他の曲は各note記事からDLされたい.ここに書いてあるルールを守ってくれれば使途は問わない.
《楽譜ファイル (PDF)》
《高音質音源ファイル》
WAV形式のCD音質 (44.1kHz/16bit, 1411.2kbps)
《並音質音源ファイル》
MP3形式のストリーミング音質 (320kbps)
VIII. Croquis III
#1~10のときにCroquis I,#11~20のときにCroquis IIを出した.当然今回も#21~30まで溜まったので,Croquis IIIをリリースすることにする.音源がまとめてダウンロード出来るから楽というのと,簡易的なジャケットを用意して全部ファイルに埋め込んであるので音楽アプリに直接放り込んで聴くのにちょうどいい.
配布ページには5つzipファイルがある.楽譜はpdf (croquis_3_pdf.zip),音源はmp3 tagless,mp3,flac,wavの4種だ.音質・サイズ的にはmp3 tagless<mp3<<flac<<<wavとなっている.wavは音質こそ良いものの,使用する再生ソフト/アプリや環境によってはタグを読み込まない場合があるため留意されたい.それぞれの出力設定は以下のような感じである.
mp3 tagless (croquis_3_mp3_tagless.zip)
→ 並音質 (192kbps)・非可逆圧縮・タグなし・サイズ小
mp3 (croquis_3_mp3.zip)
→ 良音質 (320kbps)・非可逆圧縮・サイズ中
flac (croquis_3_flac.zip)
→ 高音質 (44.1kHz/16bit)・可逆圧縮・サイズ大
wav (croquis_3_wav.zip)
→ 高音質 (44.1kHz/16bit)・非圧縮・サイズ超大
mp3はストリーミングの音質,flac/wavはだいたいCDの音質と考えてよい.ただ,普通の人の耳だったら192/320kbpsでも十分高音質に聞こえるはずだ.
taglessは極力サイズをコンパクトにするために,音質を落とした上でタグを剥がしているため,端末に取り込んでも曲の情報が表示されないようになっている.逆に言えば他の3形式はタグを付けているため,端末に取り込めば曲の情報が表示されるはずだ.(wav形式は先述の通り環境によっては表示されない場合がある.)迷ったらタグありのmp3 (320kbps) が無難だろう.カバー画像は例によってぱくたそ(www.pakutaso.com)から拝借した.
[ 配布ページ ]
IX. エピローグ: 感染 -iNFECTiON-
Thursday, 13th January 2022「終端まで」冷たい部屋に帰って、誰もいない六畳半。
美味くもない飯を喰らい、過去に耽っては涙。
重い布団の中、幸は求めど消える。
水色の枕を濡らす、有り触れている生活。
Saturday, 6th January 2024「□□□□」
反応の報せを示すたった2文字にこれほど心躍ることがあったろうか。願わくばその旅路に幸福があらんことを切に希う。
Sunday, 26th May 2024
花はここで無残にも散った。美しいとは言えない末路だった。
X. あとがき: 2024年上半期買ってよかったもの
引っ越しがあった関係で結構買いものをしたため一年分まとめてやると長くなりそうだったので.
①トロンボーン [YSL-882O] (1月)
金管楽器を吹いたあとの彼女とちゅーしたら金管楽器を吹きたくなったという不純極まりない動機で欲しくなったもの.一軒家に引っ越してからというもの,2日に1回は引っ張り出して吹いている.どうせ外がうるさいからね.中高時代に使っていたものも同じもので,結局吹き慣れた楽器が一番ストレスフリーだった.
②フタがガラスのご飯釜 [GNR-200-B] (2月)
炊飯器は便利なのだが,少量を炊きたい時に何となく味が安定しないというのと,細かい部品を洗うのが面倒なのに食洗器がダメという点が面倒.そこで買ったのがこいつ.無論,釜で炊くのも面倒は面倒なのだが,慣れればどうってことない.炊飯器だと女の2人暮らしにちょうどいい量のモデルでマトモなものが中々ないのだが,これはいい.
③ドライヤー [EH-NA0J] (2月)
ドライヤーなんてどれも乾けば一緒だろとか思ってた昔の自分を恥じる.すぐ乾くし,何より明らかに傷みが少なくなった.音も前使っていたのに比べたら雲泥の差だ.ボタンの位置がちょっと微妙なのと,折り畳み出来ない点が残念だが,それが気にならないほど良い.外泊用に思わずもう一本色違いのものを買ってしまった.
④乾燥機付き洗濯機 [NA-LX129CL-W] (4月)
最高の買い物だった.さっさと取り出さないとシワになる点には注意が要るが.物干し部屋の稼働頻度が減ったので半分くらい物置きと化し始めている.食洗器とこれは全人類買え.まじで.
⑤シーリングライト [HH-CF1492A] (4月)
寝室と個室×2を全部これにした.Twitterで「照明は明るければ明るいほど作業効率がいい」といっていたのを真に受けて10帖くらいの部屋に14帖用の照明を取り付けたのだが,まあ捗る捗る.この機種の場合色や暗さ,果てには光り方すら変えられる.底面についてる透明な盤面えっちだよね.
⑥オリジナルアイコン (5月)
NiLちゃんに外注した.権利譲渡もしてもらったので心置きなく好き勝手出来る.立ち絵っぽく仕立ててもらったので配信も出来そうなものだが,予定はない.そのうちヘッダーも外注するかも()みんなも適当に好きな絵師を金でビンタしてアイコンを描いてもらおう!
ちなみに発注指示書は具体的であればあるほど良いらしい.私が送ったのは(大体)以下の通り.
ちなみに幾らかかるかは頼む絵師とかにもよるし,具体的な額を出すとNiLちゃんに迷惑がかかるから,ここでは述べないことにする.聞きたかったらNiLちゃんのとこ行きな.私と同じ額でやってくれるかは知らんけど()
⑦撥水ワイパー (6月)
そんなに頻繁に乗るわけではない車に金をかけるのも馬鹿馬鹿しいので今までのメンテナンスは最低限のものだったのだが,そんな中,我が頭を悩ませていたのが雨の日の窓問題であった.ガラコを塗ってすぐの間は調子がいいものの,数日経つと普通にワイパー跡が残るようになる.別にそれで視界が害されるものでもないのだが,細かいことを気にする性分故気を取られることがしばしば.
で,オイル交換の際にワイパーもそろそろ取り換えた方が良いと言われ,撥水の奴もあるけどどうだと勧められたので,まあ一回くらい試してやるかと思ってつけてもらったら,まあこれが予想以上に水を弾く.しかも,付けてから今大体1か月が経とうとしているが,まだよく弾く.
⑧YOLU RELAX NIGHT REPAIR (6月)
こんな良いシャンプーが普通にあらゆるドラストに置いてあるのやばない?? 使うまで毎回たっけぇなと思い眼中になかったのだが,同居人がこれを使い始めたので少し貰ってみたら気に入ったため私も鞍替えした.高いがもう戻れない…….
XI. クレジット
作曲・執筆・動画編集・浄書: kyoka (@kyoka20011218)
見出し画像: 淀屋橋心理療法センター様
Special Thanks: Noah, 三枝翠佳, Polalice Alvireo, Sáɢwa, and you.
Very Special Thanks: 玉露
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