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実験リアル

なあ知ってるか
ネズミの野郎共に
天敵も病もない
食うにも困らない
まるで楽園を提供したら
増えるだけ増えるんだ

あたりまえだと?
まぁそうだ
面白くなるのはこっからだ
どうせくたばるんだから
先を急いだって始まらねえぞ

さあ続きだ
増えるに任せたネズ公共は
どういうわけだか
同じネズ公のくせに
階級社会ネズ公カースト
格差社会の様相を帯びる

そこは楽園のはずだって?
そう楽園のはずだ
にも関わらずだ
より食うものとより食えないもの
不可思議なことだが分断される

その分断は更なる差別を助長する
富むものは富み続け
一握りの少数精鋭化となり
貧しいものは大多数の貧困へ
無気力引きこもり活動低下
繁殖にさえ興味を失う

弱肉強食だって?
それを言ったら終いだろうよ
とにかく
正に我らが人間様の世界だろう
その雛形が形成されるんだ

しかしなんといっても楽園だ
簡単には死なねえもんだから
年寄りのミッキーとミニー共は
居心地の良い場所を譲らねえんだ
待てど暮らせどな
豊かさにしがみついていやがる

身に覚えがあるって?
それが人の性ってやつかもな
だから若者も子供も
自らの存在価値も見出せやしない
そりゃおかしくもなるだろうよ

そこからは一気に来るぞ
愛に飢えたストーキング
精神崩壊による孤立無援
わが子を屠る母
高齢化に出生率低下
波を打ってのネズミ減だ

・・・ってか?
だろうよな
平和と豊潤を得たはずの
ネズ公共の楽園はだ
五年と経たずに死に絶えたとさ

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール