壱貫亨治

風来詩

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ガラス細工

きらきらしている どこか不自然 そんな眼差し 視線を追って 言葉を置いて 覚束ない足取り 何も持たずに 買い物に出掛け 雨が降ろうと 気に留める事もない 記憶はどこか 一定の風景へと 吠え続ける犬 薄暗い玄関の向こう 知らない人の名前 懐かしげに語る それは本心かどうか 今となっては有耶無耶

    • 振り返ること

      たくさんの記憶があるはずなのに 思い出そうとすることも億劫だから 忘れてしまった振りの身勝手な決心に 安心しきったような解けない暗示をかけて 可笑しな現世利益的説法との契約に署名 有難いお守りやお札を全身に貼り付け 毎日の儀式や儀礼を通じて自らを洗脳する 別にそれで満足できるんだったら 自由に好き勝手やれば良いんだろうが 限定的な想念の世界の見せ物としての奇跡 心を奪われて行く程に慢心へ導く恍惚が 人生を終える時もしくは終えた後にこそ もしや取り返しのつかない過ちであったか

      • 問い続けろ

        お悩みは 選んだ思考の パスワード 間違い続きで 閉じ込められる 逃げるには 過去に戻るか リセットか 向き合う今を 見落としたまま 描くのは 苦役列車か パラダイス いずれにしても 望みの通り 殺したら 殺されること 覚悟せよ 狂い始めた 林檎の時計 変われるさ 獣や草木に 語り掛け 一人じゃ無いって 泣いた喜び

        • みんな違って争った

          大きくなる人 小さくなる人 白っぽい人 黒っぽい人 守りたくなる人 壊したくなる人 みんな違って争った 上にいるだけの人 下ばかりにいる人 美食を嗜む人 食うや食わずの人 天国を信じていたい人 地獄を作り出したい人 みんな違って争った 夢に囚われてしまった人 夢さえ見れなくなった人 生きようとして命を奪う人 生きようとして命を奪われた人 祈りを求めようとする人 祈りの犠牲になろうとする人 みんな違って争った 嘘を嘘で隠している人 嘘に嘘で隠されている人 自由を自由

        ガラス細工

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        • 205本
        • 206本
        • 太陽
          199本
        • 201本
        • 204本
        • 190本

        記事

          欺き野郎

          欺き野郎は成りすまし 善人賢人人徳者 思い込んだら限りなく モノホン仕立てでやって来る 安心立命お約束 疑う余地など埋立地 ユメノシマよとバカンスへ 誘う海辺のマスコット 我らは間抜けなお人好し 無知が自慢の好奇心 欲を隠して欲育て 甘い話にゃノーガード 最初は当然良い塩梅 お陰で益々ぬめり込む 進んだ分だけどっぷりと 思考の泉も柵の中 気付いた所で他人のせい 罪人探して這いずれば 同じ仲間と鉢合わせ 割れた鏡が突き刺さる 自ら選んだ自由だと 思い至るも口惜しい 変

          ざんざんざんざん

          ざんざん ざんざん 朝なのに暗い部屋 誰か目覚めたかしら 音が音たちを 連れて来るから 互いに重なっては 抱き合いながら どこからが私で どこまでがあなたで わからなくなったら きっと本当でしょう 感じていられることを 見つめているだけで そっと笑えたなら 嘘だって無くせるように 私とあなたが 私とあなたに 伝えられたなら きっと愛せるでしょう 誰も目覚めていない 雨なのに静かな部屋 ざんざん ざんざん

          ざんざんざんざん

          見飽きたかい

          そんなに色んなこと 知っているわけじゃない だけど何故だか 知っているつもりで 生きている振りなんてして 上手く誤魔化せたなら 安心と後悔が混ざり込んで来る 本当は素直になって 赤ん坊のように きらきらした瞳で 凡ゆるものを新しく 感じ直してみれたなら 怯えや不安なんてものも まるで居場所を失ってしまうかな 擦り切れそうな足の裏を 覗き込んでやろうと 転げるくらいに屈んだら 見飽きたかと問うた景色も ずいぶん変わったりもする ちっぽけな当たり前なんだけど 可愛い驚きの一つ

          見飽きたかい

          嬉しいな

          風呂上りの夜風は まるで僕を待っていたみたいに 何だかムズムズしながら 夜の顔を撫でて ざわりざわりと 心地の良い囀りを 自らの意志で奏でるから 僕はなるべく 優しさを知りたいと願いながら ぼんやりと ぼんやりしているだけ もう何も要らない事が こんなにも満ちていくのは きっと有り余る過去たちが ようやく伝えに来たのだろう それはこれっぽっちも嘘じゃないから 誰かに教えに行きたいとも思うけど 今はまだ 僕の心に隠しておくよ 嬉しいな 理由を聞くのは 野暮だろう 知らないまま

          魔物の詩

          マママ、マ、マ 知らず知らず 入る入る入る入る マママ、マ、マ 善きこと善きこと 語る語る語る語る マママ、マ、マ 無償だ無償だ 登録登録登録登録 マママ、マ、マ 愛せよ愛せよ 捧げ捧げ捧げ捧げ マママ、マ、マ あれは悪これも悪 壊せ壊せ壊せ壊せ マママ、マ、マ 美辞麗句紳士淑女 騙し騙し騙し騙し マママ、マ、マ 騙される私のマ 騙されるお前のマ マ、マ、マママ

          イノチヲカケテ

          出来るかどうか どうすりゃ良いか 喉が痛い 腰も痛い 誰に謝る 俺に謝る 綺麗な空だ 陽気な風だ 心が躍る 自ずと勇む 胸に刻んで 腹に据えたら イノチヲカケテ 今から行けよ

          イノチヲカケテ

          変身しよう

          なんだか世の中騒がしい よく見ていないと拐われる あっちもこっちも裏表 価値も基準もふにゃちんだ 真っ直ぐ歩いたつもりでも なかなかどうして森の海 カラスが鳴いたら帰ろうと 言ったは良いが家も無い 思えばずいぶん生き変わり お前も同じく死に変わり きっとここまで来たのなら 目的くらいはあったろう 余計な荷物に手を取られ 心奪った金や色 終わりにしたいが終われない 理屈で繋げた人の縁 言い訳ばかりを言い過ぎた お陰で言葉も失った 全部無くしてしまえたら 新たな私を紡げる

          生きるか生きぬか

          自分で決めろ 腹を括って 素直になれよ 興味ばかりで のらりくらりと ふらふらするな 痛い思いも 糧とするなら 喉元残せ 怪我をしたなら 強くなるよう しっかり治せ 守りたいなら 何を守るか 年中正せ 愛したいなら 愛せる自分を 必ず抱けよ 生きるというなら 誰かのために 命を燃やせ 生きぬというなら 明日の命の 為にと笑え

          生きるか生きぬか

          愛せよ

          いろんな出会いがあれば その数だけの別れもある 繋がるには繋がるだけの 切れるには切れるだけの 腐らずに 底なら底でも 落ちて行け 心が弾けて 舞い上がるまで 本当下らない理由だとか 結局自ら撒いた種だとか 良いも悪いも主観として 泣くも笑うも自由として 苦しいと 思わず吐いた 愚痴一つ 噛み砕いたら 自分を愛せよ

          過信ばかりで自信なし

          大切なこと 何遍自問する もう十分となるまで どれだけ顧みる めんどうだ まあいいや おればっか おなじこと なんて具合で いつも手を抜く それが癖になるから 今日も出直し いいかげん やめにして はじめよう わかるだろ 結果なんて すぐにでも出るか 過信ばかりで ついぞ自信なし それでもさ さいごには わらえるか わらおうよ

          過信ばかりで自信なし

          わからんわからん

          語り継がれた悠久の歴史絵巻も どうせ都合の良い嘘ばかりとして 騙しも気長に何年も何年も重ねれば 誰もが疑うという事さえ忘れ去る 異を唱えようとするアホでもいたら 正義感に囚われたお節介やら 知識に執着する頭でっかちが 手段も選ばず本性を現すだろう そうして消された奴は隠されて 新たな娯楽の殿堂は墓の上 呑気な衆生を招いてオモテナシ 宴は続くと釘を刺したらウラノカオ わからんわからんわからんか わかったつもりもわからんか いくのかもどるかわからんか いきたいつもりもわか

          わからんわからん

          大きな星

          生命体 物質世界の 表現者 コクピット 乗るのは一人か 無限大 忘れ去り そこから導く 経験値 感情も 思考も海辺の 砂の粒 踏まれたり 手に取る事で 音が鳴る 聴いている 見えない友と 肩並べ 星の下 歩く僕らは 俯いた 大きな星が そこに在るから