ノック
一億総中流の廃人が
アスベストに満たされた
窮屈な階段の蛍光灯の下
明日には遺書を書くつもり
ビリオネアのファンタジー
億り人の冒険譚
その祝福を素材として
不幸で仕立てた世界観
何かがおかしいと思うなら
何にも感じないっていうのなら
たとえば間違いであっても
たんなる狂人であったとしても
今、その扉をノックしろ
ハイペースだろうが
スローペースだろうが
マイペースであろうが
待っていちゃダメなんだ
今、その扉をノックしろ
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール