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夏の日差し

まだ午前も九時というのに
夏の日差しは空一面
影に隠れた者共を
刻一刻と追い詰める

たまらず逃げたい衝動に
駆られたものの天仰ぎ
今更ながら受け入れて
今更ながらもがきたい

私的な想いと裏腹に
夏の日差しは容赦なく
影を縮めた者共を
生かさず殺さず閉じ込める

それでも居残る覚悟には
古びた無念が腰下ろし
今更ながら気が付いて
今更ながら肩を抱く

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール