街並みを乗せ
都会の喧騒に埋もれながら
君は鳴り止まない音を奏でて
互いを否定し合うだけの恋慕を
下着姿のまま晒していた
そんな事を意にも介さず
君はケラケラと笑うだけで
人の流れとは反対に歩き続け
不意にぶつかって来る通行人を
まるで空気みたいに無視して
当ての無い放浪に浸る様に
真夜中には強かに酔っ払い
仕方なく眠りに落ちてしまう頃
いつも子供みたいに泣いていた
君の何も知りはしないけど
そんなのはお互い様だから
別に聞く必要もなかったし
それが約束事みたいに流れていた
あれからどの位経ったのかな
わざわざ思い出す事もないけど
そのくせ忘れてしまったりもしない
未だに僕は変えられない胸の中
不意に消えてしまった日々に
君が居たなら何て言うんだろうか
想像するしか出来ない馬鹿げた虚しさ
霞んだ地平の上澄に浮かび上がった
あの街並みをこぼさぬ様に手の平に乗せ
行方知れずの君を探したりはしない
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やりたいことなんて何もなかった放課後
ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆
帰る所があるから座り込んだ深夜の路上
変えたい何者かを捕まえられなかった声
振り向くばかりの今から届けたいエール