『医龍』に学ぶ教師論③

漫画『医龍』の台詞をもとに教師としてのあるべき姿を考える連載の第三弾です。


前回は、朝田龍太郎が発した「許されないなら、あんたがもう一度殺すのか。」という言葉をもとに教師論を考えました。

今回は、「やはり教授の意見には逆らえなくて……」という言葉をもとに、教師論を考えます。


内科医の藤吉圭介は、自分の勤める大学病院に娘を預けていました。

藤吉は、内科的な治療によって娘を回復させたい(外科手術は受けさせたくない。)と考えていましたが、藤吉の想いとは裏腹に、藤吉の所属する循環器内科の烏丸教授は、藤吉の娘に外科手術を受けさせることを決めてしまいます。

烏丸教授は、藤吉の娘に外科手術を受けさせることは、担当医の須藤先生と相談して決めたのだと言いますが、須藤先生は、藤吉と二人になって廊下で話しながら歩く場面で、次のように言います。

「やはり教授の意見には逆らえなくて……」

つまり、教授は、担当医と「相談」をして決めたと言いながらも、実質的には、教授が決定して、その決定事項を担当医に押し付けてしまっているのです。

この話は、大学病院が、医者は忖度して教授の意向に合わせなければいけない場所になってしまっていることを示しています。

このような縦社会の構造がある大学病院の実態においては、藤吉のように、娘のことを第一に考えて、ときには、病院の意向とは異なる考えを貫き通すことが必要なこともあるということなのだと思います。


学校や教師にも同じことがいえるように思います。

大局的に見れば、学校にも、大学病院と同様に、縦社会の構造が残っていると、私は感じます。

忖度して、管理職やベテランに合わせなければいけないと感じている若手や中堅の教師は、少なくないのではないでしょうか。

そうした教師たちは、「やはり、◯◯先生の意見には逆らえなくて……」と感じているのです。

しかし、藤吉が、娘のことを第一に考えて病院の意向と異なる考えを貫き通したように、教師も、ときには、学校に通う子どもたちのことを第一に考えて学校の意向と異なる考えを貫き通す必要があるのではないでしょうか。


今回の記事では、『医龍』の「やはり教授の意見には逆らえなくて……」という台詞をもとに、教師論を考えました。

いかがだったでしょうか。

それでは、次回も、お楽しみに。

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