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「きょうだい」という楔

最近、久しぶりに小説を読んでいます。

小説というものは読み飛ばしができない分、
順序立ててじっくりと読む必要がある。

この世界観に没頭する感覚を
久しく忘れていたなと感じます。

違う世界に没入できる時間は、
すごく心の栄養になっている気がします♪


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


あなたは「きょうだい」がいるでしょうか。

そして、今まで、
「きょうだい」関係はどうだったでしょうか。

様々な方が
精神面に着目するようになっている令和。

「心」というものに注目すればするほど、
今まで育ってきた環境である
「家庭」「両親」との関係性に
スポットライトが当たるようになります。

両親について
語られることは多くなってきているのですが、

意外と語られる頻度が少ないのが
きょうだい関係

きょうだいとの関係性は、
下手をすれば、
一生を縛る楔となるもの。

今回は、そんな
「きょうだい」関係に絞ったテーマで
記事をまとめていきます。

何か参考になるものがあれば幸いです。



生まれる順番で変わる性格傾向

よく、
長男長女は面倒見がよくて、
末っ子は甘えん坊であるなどと言われます。

言われれば確かにそう思いますが、
それは本当に普遍的な傾向なのでしょうか。

そのような生まれる順番に着目して、
性格傾向を調べる調査は、
昔から行われていたようです。

アルフレッド・アドラーも、
生まれ順による傾向を調べた者の1人です。

そんな心理学者たちが調べた傾向では、
長子や末っ子などの性格傾向は、
どのように記述されているのでしょうか。

1つずつ見ていきますね。

■ 長子の心理学

長子として生まれた子どもは、
以下のような特徴をもつと言われています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・万能感に満ちた自信を育みやすい
・ガツガツしない
・のんびりとした性分
・優しさと面倒見のよさ
・見通しが甘い
・地に足がつかないところがある
・人がよく危険な人にひっかかりやすい

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1番目に生まれた子どもとして、
子育てが初めての親の愛情を
一心に受けます。

愛情を独占できる寵愛期間があるからこそ、
ガツガツする必要性が薄まり、
万能感に満ちやすい。

その代わり、
自分が何かアクションを起こさなくても、
周囲から愛された経験が根底にあることから、

現実が見えずに、
かなり甘く見積もってしまう傾向が
あるというところでしょうか。

■ 第二子/中間子の心理学

第二子/中間子の特徴は、
以下になります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・アグレッシブ
・野心的、上昇志向
・自己顕示欲がある
・現実的な計算に裏打ちされた行動
・自立能力に優れる
・権威に逆らう
・1番よりもほどほどで満足する
・自分から損なことをする甘さはない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

などなど。

生まれた時から、
長子がいる第二子にとっては、
常に競争にさらされる世界で生きていきます。

よって、
上を追いかけるという競争心がある一方で、
ずっと1番にはなり得なかったことからも、
ほどほどに収めるというバランス感覚をもっている。

常に、
先に進んでいく長子の存在からも、
失敗・成功例という現実を見て、
裏付けされた現実にもどづく生存戦略が展開される。

だから、
甘い文句に騙されることも少ない。

一般的に、
長子や末っ子よりも
可愛がられることが少ないと言われる第二子は、
生き残るためにあらゆる面で現実的と言えそうです。

■ 末っ子の心理学

末っ子の特徴は以下になります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・母子分離が遅れやすい
・甘えん坊
・依存的な性格
・おっとりした性格
・不安が強く疲れやすい面がある
・衝突を避けてうまく立ち回る

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

親の愛情を独占した期間が、
実は最も多いのが末っ子です。

長子は一時的な独占ですが、
末っ子は生涯にわたって独占する状態となります。

よって、
親が子どもに対して依存的になりやすい。

また、
年齢が高齢になってからの子育てであることも、
肉体面、精神面に影響が出ます。

生まれた時から、
親や場合によってはきょうだいからも
寵愛を受けやすい末っ子は、

自然とおっとりとした性格となり、
立ち回りがうまくなる。

世間一般の末っ子のイメージと、
ほとんど一致する気がします。

■ 一人っ子の心理学

一人っ子の特徴は以下のようになります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・大らか、のんびり
・ガツガツしない
・自分本位な傾向を強めやすい
・誇大な理想や万能感
・精神的に安定している
・他者との交流がやや不器用

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これは、
想像の通りだと思います。

きょうだい間に競争する必要がないから、
おっとりとしているし、

常に自分に注目や関心が注がれるので、
万能感を抱きやすい。

揉まれる経験がないから不器用さはあれど、
挫折があっても変わらない親からの支援があるため、
最終的には乗り越えられることも多い。

そういった面からも、
精神的に安定した性格が形成される。

さて、
ここまでは一般的な
生まれた順番による性格形成の特徴を
述べてきました。

しかし、
これらは家族間の関係性や、
相互作用によって変わりゆくもの。

次は、
きょうだい間の関係性が、
複雑化していく家庭について述べていきます。


きょうだいコンプレックス

きょうだい間のトラブルが
露呈される瞬間はいつでしょうか。

最もイメージしやすいのは、
遺産相続の場面です。

そういった時に、
平等に皆が納得して決めることができればいいですが、

相手が遺産をもらうことに対する不満があったり、
誰が会社を受け継ぐかを揉めたりするのは、
ドラマなんかでもよく見る光景だと思います。

そういった、
バランスが崩れてしまった家庭によく見られるのが、

ファミリーヒーローと、
スケープゴートの存在です。

家族の期待を背負う、
希望の星、エリートの役割を担う子どもと、

悪者の役割を背負う、
親の期待からドロップアウトする子どもを表します。

成績、学歴で成功をして、
家族の中で称賛されるきょうだいがいる一方で、

受験に失敗して、
光を浴びなくなったもう一方がいる。

幼い頃から、
一方的に寵愛を受けているきょうだいがいる中、

面倒事や雑事を押し付けられる一方もいる。

そういった偏ったきょうだい間のバランスは、
親の歪んだ自己愛から生まれる。

親自身が、
自分のコンプレックスを解消していないが故に、
自分の成功や偏愛を、
子どもを使って解消しようとする
状態です。

そうなった場合は、
我慢していた一方がいつか
爆発することになる場合もありますし、

寵愛を受けて自由気ままに生きてきたが故に、
社会に出てうまく適合できず、
親が寵愛してきた子どもに逆襲されることもあり得る。

一方で、
寵愛してこなかった子どもに、
それを助けられるなんてこともよくあります。

自己愛が強い人間は、
自分の思うままに動いてくれる存在を
寵愛する
傾向もあります。

よって、
家庭の中で非常に権威的なピラミッドができあがる。

組織の中でも、
役職が上がるにつれて派閥をつくり、
自分が思うままに立ち振る舞える空間を
つくろうとする人は、
同じように歪んだ自己愛をもっていると言えるでしょう。

そう考えると、
日本の政治家なんかは、
自己愛が歪んでいる人物たちが
わんさかいると筆者は思っています。

彼ら彼女らは、
学歴という外面は取り繕ってきたかもしれませんが、

内面は自己愛が歪んでいる、
未熟な人間性の人が多い気がします。

役職に伴う人間性を備わっていない人物の、
歩んできた人生の裏側が透けて見えるようです。


冷たい壁を溶かすためには

ある程度歪み切ってしまった
きょうだい間の関係性は、
どのようにして修復できるのでしょうか。

大事なことの1つは、

「よく話をしてみる」

ということです。

あるところに、
会社を運営する社長がいました。

その会社の専務を、
弟が務めており、

その専務とことごとくぶつかり、
会社も傾きがち。

そのことに困って、
セラピーを受けに来たのです。

ドクターが行ったセラピーは、
片手の5本の指を大事な人に見立て

自分の人生で感謝している5人に対し、
想いを述べていくというものでした。

その社長は、
母親、妻、父親、友人などを挙げていきます。

そして、
5本目の最後の最後の時に、
しばらく迷った後で、

「弟だ」

と弟を選びました。

そして、
よくよく考えれば、
弟の存在がいたからこそ、
ここまで会社をやってくることができたことを思い返し、

「あいつとよーく話をしてみる」

という結論に至り、
自分のありのままの胸の内の想いを
伝えたそうです。

すると、
長年の想い違いの壁が、
少しずつ溶けていき、

バランスを保って、
収まるべきところに収まっていった。

何かのきっかけ、
第三者の介入
などによって、

長年のすれ違いの思いの丈を、
お互いに吐き出してみる

場合によっては、
そのきっかけが両親の死になるかもしれません。

年月を重ねてくれば、
きょうだい間のすれ違いというものは、

結局は、
両親のコンプレックスや、
自分たちではどうしようもなかった
複合的な要因から生まれたものも多いと
分かっていくでしょう。

時間をかけて、
少しずつ長年の冷え切った壁が
溶けていくのではないかと思います。


まとめ

こういった関係を見つめていくと、

家族の誰かが人生でうまくいっているのは、
他の役割をきょうだいが
引き受けてくれていた
故かもしれないことが、
思い浮かんできます。

逆に、
自分が損な役回りを負ってきた人は、
そのことによって他者を生かしてきたかもしれません。

これはきっと、
家族だけではなく、
職場や組織といった構造でも
同じことが起きているはずです。

そういった意味では、
本当に、

「成功は周囲のお陰様」

なのです。

自分が前向きにがんばるエネルギーを得ているのは、
誰かがマイナスのエネルギーを
引き受けてくれているからかもしれない。

謙虚な姿勢で、
バランスを大事にしながら、
最適を探していきたいです。


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