セルジュ・ルタンス 厳格な耽美
「フランスの知性・哲人」とも称されるアーティスト、セルジュ・ルタンス。
現在はニッチ・フレグランスのブランドとして有名であるが、彼のキャリアはメイクアップ・アーティストに始まり、写真家、映像作家などさまざまなジャンルで独自の美を生み出してきた。
セルジュ・ルタンスのクリエーションの根底には詩が存在している。
ルタンスに耽溺していた私は、彼のインタビューが載っている雑誌を可能な限り読み漁ったが、彼の発する言葉は全て散文詩のように感じられる。
ボードレールやジャン・ジュネを愛し、三島由紀夫の小説に羨望を抱く彼は、朝起きるとひたすら文章を書き連ねる生活をしているという。
「はじめに言葉ありき」の通り、彼は神として詩を綴り、その詩をさまざまな形で捉えて美の世界を創造している。
まるで修行僧のように、もしくは美神の奴隷として、セルジュ・ルタンスは厳格に創作を続けている。
【Kyohei Hayakawa HP】