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文学フリマ大阪12で買った本の感想 #文学フリマで買ったもの

文学フリマ大阪12で買った本の感想です。
ちょこちょこ読み進めている中から、印象に残ったものについて書いていきます!

①『ピノコプレス12 京橋で呑む 近場で呑む』『ピノコプレス4』(ぴのこ堂)

ピノコプレス、2冊

漫画家・ぴのこ堂さんの可愛いZINE。
いつも楽しみに読んでいます!
最新号の『京橋で呑む 近場で呑む』は、私もよく行く京橋の紹介。
(職場から近いので寄り道すること多し)
しかし「よく行く」といっても、京阪モールをウロチョロするくらいでディープな京橋は全然知らなくて……。
楽しそう&おいしそうな呑み屋がいろいろ紹介されていました。
今度ぜひ探検しに行きたい!

スーパーホテルとアパホテル、二つのビジネスホテルの泊まり比べ漫画もあり、読んでいてとても楽しかったです。
ぴのこ堂さんの漫画は、どれも飲み歩きや旅行を思う存分満喫している感じがすごく伝わってくるのが良いですね~。

『ピノコプレス4』にはイラストや漫画だけでなく、小説も掲載されていました。
「三つ編み」「メガネ」「女の子」という三つをお題にしての短編小説です。
「今日は何もかもツイてない」と憂鬱な主人公が、二週間に一度の不倫相手との逢瀬のため、クラシックなホテルへ向かう……サスペンス感ある出だしで惹きつけられます。
ホテルへ着いたら三つ編みの少女(従業員?)が現れ、どことなく違和感を覚える立ち振る舞い。
いったいこれは……と戸惑っている主人公の前で、思いがけない展開が。
サスペンスだけでなく、ホラーな要素もたっぷりで面白く読ませていただきました。

そのほか、「ブルボンのお菓子を擬人化してみた」イラストがとっても可愛らしかったです。
ホワイトロリータちゃん、ルマンドちゃん、エリーゼちゃん!そしてアルフォート君!

ブルボンのお菓子ちゃんたち

お菓子の擬人化って考えたことなかったけれど、確かにみんなこんな雰囲気ですよね。
ほかのお菓子たちも含め、ぜひ漫画化していただきたいです……!

ぴのこ堂さんのnoteはこちら。
私の本についても、嬉しいご感想を書いてくださっています。

②『稲麻竹葦 第十号 あらたなる遣唐使』(芦原瑞祥、猿川西瓜)

稲麻竹葦 第十号

こちらも毎号楽しみに読んでいる歴史同人誌。
今回のテーマは「遣唐使」でした。
894年、遣唐使廃止――白紙に戻せ遣唐使。
という語呂合わせしかとっさに出てこないくらい、遣唐使に関する知識のない私……(これでも歴史好きなんですが、一応)。
しっかり勉強させていただきました!

小説「そらみつの大和、日の居る唐国」(芦原瑞祥)では、秦朝元(はたのちょうげん)が主人公。
父親が遣唐使で、唐の国で生まれ育ち、十二歳で日本へ渡る。
そして二十七歳で遣唐使として再び唐へ……という、何ともドラマチックな人生を送っています。
自分は日本の人間なのか、それとも唐の人間なのか。
そしてわずか十二歳の自分を、たった一人で日本へ送り出して自身は唐に残った父の思いとは、いったい。
悩みながらも遣唐使として活躍し、時の皇帝・玄宗皇帝ともひそかに面会。
当時の唐の国の様子や、日本の遣唐使たちがどんな思いで海を渡っていったのか。
リアルに描写されていて読みごたえたっぷりでした。
もう一作の小説「開元六年十月」(猿川西瓜)は、この秦朝元の父・弁正が描かれています。
僧侶として唐へ渡った弁正が、なぜ還俗し、それまでとは全く異なる人間になったかのような振る舞いを始めたのか?
一緒に唐へ渡った僧・道慈の視点から語られていました。
小説二作、あわせて読むことでより深みが出る構成でしたね。

紀行文「好去好来」(芦原瑞祥)、「神社から海へ」(猿川西瓜)も楽しく読みました。
遣唐使ゆかりのお寺や神社を訪問されていますが、同じ場所について書かれていても、お二人それぞれの視点・文体が個性的なので全く雰囲気が違って感じられるのが面白いです。
(芦原さんは真面目で正統派、猿川さんは洒脱で軽妙)
唐から伝わってきたというお菓子、「清浄歓喜団」がとても気になりました。

唐菓子、清浄歓喜団

歓喜天様、おろそかにすると恐ろしい神様だというのは聞いたことがありますが、「こういうお菓子がお好きなんだ」と思うとちょっと親しみを覚えますね~。

少しずつ時代を下ってきている『稲麻竹葦』、次号はどんなテーマになるのでしょうか。
楽しみにしております。

気づいたらお菓子(ブルボン、歓喜団)のことばかり書いてしまっていた気が……食いしん坊なのでごめんなさい。
ほかにも読んだ本はあるのですが、時間がないので感想文は今日のところはこのあたりで。
また今度書いていきますね。
(了)






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