見出し画像

広報担当を突然マーケ担当にしたらダメ。

以前、PR会社の選び方という記事で、選定のミスマッチについて書きました。

実は、企業の担当者採用のミスマッチも多くありまして。

主な例をあげます。

まずは広報とマーケティングの違いがわからず、マーケティング担当としてマーケティング未経験の広報経験者を突然据えるパターン。世の中にはやったことないこともできる人もいれば、教えてもらわないとできない人もいます。やったことないことができる人でも、未知のことはある程度時間がかかります。記者を訪問しようとしてる人に社内でCRMやMAの管理をさせようとかすると大きな戦力ダウンです。MQLとか言われても意味不明だったりします。リードの概念がないのです。その人にとっては未経験のことを突然やれと言われたに等しいのです。採用側のやってほしいことと、その人の経験・スキルをちゃんと確認しましょう。じっくり覚えてもらいたいのならちゃんとその時間や教育の機会を与えてあげてください。

そして、マーケティングという言葉もリードジェネレーションなのか、プロダクトマーケティングなのかそれともマーコムなのかはっきりさせておきたいところです。言葉の定義で混乱している人が多いです。

それから、大企業で広報してたから即戦力だと思って採用してお互いに不幸になるパターンもあります。大企業の場合はすでに名前が売れています。どちらかというと、炎上しないように対応することに慣れていますし、自分から取材依頼を持ちかけるより、依頼された取材をどううまく回すか、というスキルが重視されます。そしてチームで動くことに慣れています。これから有名になりたいベンチャー広報とは重視すべきポイントや働き方が全く違っています。それらの違いをお互いに認識した上でないと「予算がなくて何もできない」「あれもこれも揃ってない」とか「経験者だと思ったのに何もできないようだ」ということになります。

ベンチャーでは一人広報という言葉があります。一人の広報担当を入れれば(任命すれば)、採用まで手伝ってくれて、自力でWantedlyもfacebookも更新してくれて、テレビにも出られるみたいな。でも、そんな超人はあまりいませんし、ずっとそれを低い給料でやらせたらその人は他の会社に引き抜かれていってしまいます(もしくは独立します)。場合によっては体を壊して休職します。また、一人広報がうまく機能しなかった場合、結果が出せずに会社が注目されるべきタイミングに全く露出がない(記事が出ない、注目されない)ということも起きます。競合他社に大きく遅れをとります。

だいぶ昔に広報やってました(しばらく違うことしてました)という人も問題です。実は結構やり方が変わっています。「日経BPさんの全メディアの記者を会議室に集めてもらってデモを見せよう」それはもう15年前に終わったやり方です。目的を見ずに過去の成功体験ばかりにこだわる人だと結果に繋がりません。

また外注管理のうまい人に現場をさせようとして全くうまくいかない話も聞きます。その人の得意なのは管理業務です。「目利き」で優れた制作会社、PR会社を見つけてきて対応してくれますが、それらなしで実務をやらせようとしたらうまく回りません。

あとでこんなはずじゃなかったとなると企業側も社員も痛手を被るので、なるべく事前に対策をしたいものです。

採用しようとしている社員の経験してきたこと、得意なこと、やりたいと思っていることと、会社でお願いしたい内容は合っていますでしょうか?

その人のキャリアプランと、企業のコミュニーケーション戦略に大きなズレはないでしょうか?


サポートいただいたら、ご相談をされた方にお茶をご馳走する原資にさせていただきます。