ころべばいいのに / ヨシタケシンスケ【お休みの日はまったり読書】
世の中には合う人も合わない人もいる。
どうしたって好きになれない人もいる。
なのに小さい頃から叩き込まれたのは
「みんなと仲良くしましょう。誰とでも仲良くなりましょう」
仲良くできないわたしは、ダメなのかなぁ。
あの子を好きになれないわたしは、ダメなのかなぁ。
自分の心がくもってるから、あの子を好きになれないのかなぁ。
そうやってわたしは「好きじゃないなぁ」と感じる人にこそわざわざ近寄って、仲良くなろうとしてきました。
「この人とも仲良くなれれば、自分がよりよい人間になれる」
そんな風に思って、せっせと好きじゃない人と仲良くなる努力をしてきました。
本当に好きだなぁ、一緒にいたいなぁと思う人と過ごす時間をけずってまで。
なんていう勘違いだったんだろう。
だって、「どうしても好きになれない人」って絶対いるのに。
10人いたら、2人は気が合って、1人は全然合わなくて、残りの7人はどっちでもないんだって。
なーんだ。
わたしはあの子にとってのその「全然合わない1人」なんだ。
あの子はあの子と、しっくりくる9人と仲良くすればいい。
わたしはわたしと、しっくりくる9人と仲良くすればいい。
それだけのことだったんだ。
努力すべきは
「好きになれない人と仲良くすること」
ではなく
「どんな風に自分の機嫌をとってあげるか」
生きてたら「全然合わない1人」とも関わらなきゃいけないこともある。
けど「嫌だなあ」にとらわれてたら誰がいちばん楽しくないんだろう？
そう。他でもない、自分だ。
だったら自分で自分の機嫌をとってあげなきゃ。
自分の気持ちがグググ～～♪ってあがっちゃう「楽しい」をふだんからいっぱい見つけておこう。
嫌な気持ちになった時、「さて、今日はどれにしようかな」って本棚からお気に入りの一冊を選ぶみたいにそこからひとつを選んで。
「嫌な気持ち」は紙くずみたいにくしゃくしゃに丸めてゴミ箱に捨てよう。
「楽しい」とか「好き」だけで自分を満たす。
これが自分にしてあげられる最高のいたわりだと思います。
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ヨシタケシンスケさんの絵本はどれも大人にこそ読んでほしい作品です。
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