胸騒ぎ
この記事にはネタバレがあります。
U-NEXT で映画「胸騒ぎ」を観ました。
脚本・監督:クリスチャン・タフドルップ
ブラムハウスによって、アメリカでリメイクされるみたいです。
以下、ネタバレ感想を書きます。
(少し、間を空ける)
久しぶりに容赦無い感じのホラー映画でした。
「平和な家庭に、善人の振りをした悪魔が徐々に入り込んで来る系」の映画だと早々に分かりますから、ラスト30分前までは少し退屈でした。
ラスト30分間の、被害者家族への仕打ちは容赦が無かったです。
人としての尊厳すら剝ぎ取られて、抵抗したり逃げ出す意志さえ失って、夫婦で互いに慰め合いながら投石で殺されるラスト・シーンとか、ちょっと見てられない感じでした。
とてもサディスティックな映画です。
言うまでもありませんが、サディスティックな映画という事は、同時に、マゾヒスティックな映画という事でもあります。
この映画のポイントは、被害者家族のお父さんのキャラクター設定にあると、僕は思います。
お人好しで、事なかれ主義で、頭の回転が少し遅くて、そして何より危機回避の本能が鈍い。
せっかく逃げ出せたのに、たかが娘の縫いぐるみを取り戻すため態々敵のアジトに戻ってしまう程、危険に対する感受性が鈍い。
娘が大切にしている縫いぐるみと、娘自身の安全、どちらを最優先すべきか判断できていない。
挙句の果てに、悪魔夫婦に言いくるめられ、彼らの邪悪なカリスマ性に心酔してしまう。
物語の最後、被害者パパは、悪魔パパに「お前が娘を差し出したんだ」と言われます。
つまり、「逃げるチャンスは幾らでもあったのに、それを活用できなかったお前の無能さが、娘の不幸を招いたんだ」という意味です。
果たして、無能である事は罪なのでしょうか? 守るべき子を持つ親であるにも関わらず、危険を察知する能力が劣っている事は、罪なのでしょうか?
そんな事を考えてしまいました。
以下は、アメリカ版リメイクの予告編ですが……
う~ん、相当にネタバレしてる予告編だなぁ。
悪魔パパの役は、ジェームズ・マカヴォイか。
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