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【PM】クラッシング
プロジェクトの工期短縮手法にクラッシングがあります。
クラッシングとは、スケジュールのボトルネックになっているタスクに資源を投入して早く終わらせる事です。
人・物・金
PMBOKガイド第7版によるとクラッシングとは「資源を追加することにより、コストの増大を最小限に抑えスケジュールの所要期間を短縮する方法」と説明されています。
追加する「資源」とは、人材であったり、物であったり、お金であったりします。
ITシステムの構築プロジェクトにおいては、人材としてエンジニアであったり、アシスタントであったり、場合によってはPM補佐であったりします。
速いコンピューターを導入したり、作業効率の良くなるソフトウェアを導入することもクラッシングと言えます。
いずれの方法もお金が必要な対策です。
お金を使って優秀な人を連れて来たり、使える機器を導入したりします。
社内の人材であっても工数管理されていれば費用は発生します。
クラッシングの名の下に
この工期短縮手法に「クラッシング」という名前を付けることによって、活動自体に命が宿ります。
プロジェクトのスケジュールが遅延してきて、周りの偉い人が騒ぎ始めてきて、何やら人がたくさん投入されて、土日も働いている。
その状態を「火事」と呼ぶ人もいますが、火事は見ているものではなくて消すものです。
消す行為が「クラッシング」です。
クラッシングという名の下に集まってきた人員は、このプロジェクトの特定のタスクが遅れていると認識します。
そして、自分達はその遅れを解消するために投入されていて、ここのタスクを終わらせれば次の工程に進むことが出来、きっとプロジェクト全体が良い方向に進むはずだ、と理解できます。
活動に名前を付けることで命が宿り、チームが力を合わせて一つの方向に向かうことができます。
普段からの備え
支援する人員が参加してきた時、受け入れる側の対応が非常に重要です。
プロジェクトに参画したばかりの人は、すぐに作業に着手できる訳ではありません。
プロジェクトの概要、体制、スケジュール、システムの構成、仕様、設計を把握して、ようやく自分のタスクの意味、目的、進め方を理解します。
受け入れる側は、これらの情報を効率よく、支援者に説明することが求められます。
普段から、プロジェクト計画書や設計資料を分かりやすく整理して作成しておきましょう。
ただただ人を大量に突っ込んでも、簡単に解決できるものではないのです。
病気の人に栄養たっぷりのご飯を大量に食べさせても、必ずしも元気になる訳ではないのと一緒です。
情報を丁寧に並べて、しっかり咀嚼して吸収してもらえるように、普段から仕込みをしておきましょう。
それぞれの満足のために
社内から人員を集めてきた、役員や部長クラスの人間は「俺が集めてやった」とドヤ顔で自慢するかもしれませんが、その人達を活かすのはPMです。
土曜日の午前中、普段着で出社してきてくれたエンジニアのみなさんに、プロジェクト計画と設計資料を見せて「よし、分かった、ここまできちんと情報が揃ってるなら、俺達に任せてよ。一緒に終わらせようぜ。」って言われたら最高の気分になれます。
そういうプロジェクトならきっと、しっかりと完了まで持っていけるはずです。
打ち上げの料理もきっと美味しく食べられるに違いありません。
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