ひねもすきらりきらり#1

耳に伝わるのは「君の呼ぶ名前」。

集中していた文章からふと、目を逸らす。

薄く外の様子を映し出すカーテンは縦横に波長をつくっている。

館内を廻るぬるい風がその波長を揺らし、光が出入りしている。

朝にはその暖かさを感じることのなかった日光も、今は仄赤く静かに明日へと飲み込まれていくようだ。



2月15日のとある図書館の中で。

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