本当に怖い赤頭巾
何気なく通った道で
良さそうな小屋があったのだが
物音がしないというか
人の気配を感じないというか
そうそういい忘れてたけど
俺の名はきゃらを
仕事は、コソ泥だ。
仕事といっていいのか疑問は残るけどね
ちょっとした小銭や食料を盗むコソ泥さ
大きな犯罪には手を染めない
これでも罪悪感もちょっとある
だけど自分ではどうしても
お金を稼げないし
普通に働いてもドジだから
直ぐ首になってしまう。
泥棒というと窓から侵入したりすると
思っているかもしれないが
ちょっとした道具さえあれば
玄関などは直ぐに開く
だから普通に入り口から入るのが殆どだ。
カチャカチャカチャ
あれ?元から開いてないかこれ??
ってことは誰か中にいるのかな?
カチャカチャさせた音を聞かれたかもしれない
中に人がいたら追われてしまう
物乞いのふりして敵意がないことを
示した方がいいかもしれない
『すんませぇ~~んおなかすいて~』
・・・・・・・・
何の反応もないな
『すみまぇせ~~んパンくださぁ~い』
お腹をすいた主張を
パン下さいに変えた事には意味は無い
誰もいないならこれは
潜在一隅のチャンスかな
引き出しをあけて金貨などを
探すけのだけどお宝は無さそうだ。
というか、少し気になるのだけど
少し荒らされている形跡があるな
ふと気になった点があって
シングルベッドだけど
なんかこんもりしているので
布団めくってみると
『!?』
オオカミが眠っている
オオカミが何でねてるの?
起こしたら大変だ
でもここはどうみても
オオカミの家じゃない
起きる前に出ようとすると
ドーンドーンドーンドアがノックされた
やばっ!!
とっさに箪笥の影に隠れた
「おばあちゃ~~~ん」
その声にオオカミも起きた
「おやぁ・・赤ずきん」
「あれ~~おばあちゃんの声は
どうしてそんなにしわがれてるの?」
いやそれはおばあちゃんじゃないからね
それはオオカミだからだよね
どういうことか?DNAレベルの話か?
オオカミに育てられた
アマラとカマラ的な話か?
だけど、だとしても
オオカミの生活水準は高すぎる
「ちょっと風邪をひいてしまったんだ~」
風邪っていうか
オオカミだからじゃないの?
「あれ~~おばあちゃんの耳は
どうしてそんなに大きいの?」
「そえはお前の声をよく聞くためだよ~」
ちがうな。ちがうぜ
このオオカミは明らかに嘘をついている
俺は洞察力だけはあるんだ
じゃないとコソ泥はできない
本来はコソ泥だからでてはいけないのだけど
このままではこの女の子はオオカミに食べられる
うーん。仕方ない。
『ちょっとまちな』
「きゃぁーーーーーーーーーー!!」
「ぎゃーーーーーーーーーーーー!」
オオカミも赤ずきんも同時に大声をあげた
オオカミは姿を露わにして
赤頭巾は目を大きく見開いている
「・・・・・・・」
こまったな。
この間が非常にこまる
『いやたぶんだけど、そのオオカミは
君を食べようとしている』
明らかにオオカミだしな
同じ人間だ、俺は泥棒でも
やっぱり同胞は守らねばなるまい。
ましてやまだ幼い女の子だ
「そんな事ないよなぁ赤頭巾」
なっ・・・この期に及んでこのオオカミ
まだおばあちゃんを主張するのか
いくらなんでも赤頭巾も
そこまで馬鹿じゃないだろう
「おばあちゃんはどうして
オオカミの格好をしているの?」
天然~~~~~~~~!!
『明らかにおばあちゃんじゃないよ
そいつはオオカミだ。騙されないで!』
俺は思いをこめて赤ずきんに
話しかけた
「何言ってるの?勝手にきめつけないで
おばあちゃんは悪い呪いで
オオカミになっただだよ!このクズ!」
えええええええええ
クズまでいわれるの?
悪い呪いっていうか
悪いのはお前の頭じゃないのか?
「生理的に嫌いなんですけど
無理無理、絶対無理なんですけどー」
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