一休きゃらを
俺の名は一休きゃらを、トンチの利く坊主としてそこそこ知名度も上がり、将軍様に呼ばれることになったんだ。恐らくは何かしら俺のトンチを試そうと仕掛けてくるに違いない。まぁそういう人だから俺みたいななまくら坊主も陽の目を見る機会があるのかもしれないな。
「おまえが一休きゃらをか?」
『はい。』
「苦しゅうない。面を上げよ」
『はい。』
「良い面構えじゃな。早速だがなきゃら休」
チョロQみたいに言わないで欲しいが将軍様には逆らえない。さてさて、どんな謎かけが飛び出すかな?あの水墨画かな?うわ。言いそう。あの水墨画の絵の中の虎を捕まえて見せろとか言いそうだわ~。そうしたら捕まえると主張するか、その代わりに虎を出してくれと頼めばいいか。もうそれで決まりだな。どうかそんなつまらない問答はやめてくれよ。
案外将軍を前にしても、緊張はしないものだな。トンチ慣れしてきた自負がそうさせるのかな。まーいい。自信はあるさ。さーどんな問答でもデテコイヤー!!
「入れ」
『はい』
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問答は出てこず、別の奴が出てきたようだ・・誰か入ってきたぞ?水墨画の虎じゃないのか?どういうことだろうか、俺と同じ坊主らしいが、こいつもトンチが利くのかな?まさかこいつと問答をさせようというのかな?それとも知恵比べ的なことかな?それはそれで受けて立とうじゃないか。
「こいつはな二休だ」
二休ってなんだ?
ふたやすみってことか?一休と関連性があるのだろうか?どういうことだ?まだ全くこの謎解きはできないぞ?
「こいつがブルーを担当する」
ブルーを担当するってなに!?
謎はどんどん迷宮の奥の方にいっているぞ?てか悪そうな奴じゃないか。もし一緒に何かをするにしても、ちょっと同期感がないな。そんな戸惑ってばかりの俺とは裏腹に、将軍はどんどん先に進んでいく、というか既に将軍の姿を俺ははっきり言えば見失っている。
「入れ」
「はい」
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「こいつは三休だ。イエローを担当する」
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