見出し画像

「コーチング」とは? 〜プロコーチ認定を受けて〜

はじめまして。プロコーチとして活動している yusuke と申します。

先日、『あらゆる人の一番の幸せをさがそう』という理念を掲げるコーチングスクール「ひふみプロコーチ養成講座」での学びと、コーチングの実践経験を積む目的で取り組んだ「100回コーチング」を修了し、「ひふみコーチ株式会社認定 プロフェッショナルコーチ」に認定いただきました。

「ひふみコーチ株式会社認定 プロフェッショナルコーチ」認定証

認定コーチとして新たな歩みを始めるにあたり、「コーチング」とは?という大きなテーマで、学びの内容をnoteに綴ってみたいと思います。長文となりますが、よろしければお付き合いください。


①「コーチング」とは?

突然ですが、皆さんは「コーチング」と聴いて、どんなことを思い浮かべますか?
私自身もコーチングを学び、実践するまでは「何だかよく判らないな」と感じていました。

インターネットで「コーチング」と検索すると無数の定義が出てきますが、学びを終えて、私自身は次のように捉えています。

コーチングとは、クライアント可能性の窓を開放するための対話であり、自分らしい一歩を踏み出すための”気付き”が生まれる関係性である。

いかがでしょうか?正直、まだ「何だかよく判らない感」が残っている方もいらっしゃると思います。

理解を助けるため、「クライアント」「可能性の窓を開放する」「対話」といった、コーチングに特有のキーワードについて補足させてください。

  • 「クライアント」
    「コーチ」がコーチングを提供する側の ”私” であるとすれば、「クライアント」はコーチングを受ける側の ”あなた” のことを指します。コーチングは基本的にすべての時間を「クライアント」のために使います。コーチングの時間は100% ”あなた” のための時間なのです。

  • 「可能性の窓を開放する」
    普段の生活の中で自分と向き合い、自身の可能性に目を向ける機会は、そう多くないと思います。また、人は無意識に「思考の枠」の中で物事を考えてしまう生き物です。コーチング中は、コーチからの「質問」を通じて思考の枠を超え、可能性を大きく広げていくことを目指して関わっていきます。

  • 「対話」
    対話とは、字の如く「対等」な関係で「話す」ことで行われるコミュニケーションのことです。私個人の考えとしては、雑談や議論と違い、お互いがリラックスした状態で協力的に信頼関係を築きながら、テーマに沿って本音と本音の話し合いをすることである、と捉えています。

参考)「雑談」「対話」「議論」の違い
「雑談」=<雰囲気:自由なムード>の中での、<話の中身:戯れのおしゃべり>
「対話」=<雰囲気:自由なムード>の中での、<話の中身:真剣な話し合い>
「議論」=<雰囲気:緊迫したムード>の中での、<話の中身:真剣な話し合い>

出典:『ダイアローグ 対話する組織』 中原淳、長岡健 (共著)

②コーチの”在り方”とコーチングの”方法”

続いて、そんな「コーチング」を提供するコーチ側の”在り方”や、効果的なコーチングの“方法”について、以下のように考えています。

  • コーチの”在り方”
    クライアントの「人生の幸せ」のために、真剣に向き合う。

「人生の幸せ」という言葉は、やや大袈裟に聴こえるかも知れません。

しかし、人は何のために生きているのでしょうか?

私は、自分を含めた関わる人を「幸せ」にするためだと思っています。そして、自分自身の「幸せ」について真剣に考えてくれる人に出逢う機会は、人生の中でそう多くないとも感じています。

私が学んだ「ひふみプロコーチ養成講座」の理念は、『あらゆる人の一番の幸せをさがそう』というものです。相手の「人生の幸せ」を願って人と関わることができるプロコーチという職業(在り方)に、私自身、強く共感しています。

  • コーチングの”方法”(2024年5月・更新)
    コーチと共に創る安心・安全な場で ①理想 ②現状 ③課題/行動 を「言語化」し、モヤモヤを明確にしながら、理想と現状のギャップを埋めるPDCAを回すこと。

コーチングの”方法”については以下の画像の通りですが、こちらは「GROWモデル」という有名なフレームワークに沿った考え方となりますので、ご興味のある方はひでまるさんという方のnote記事が分かりやすくまとまっているため、よろしければご覧ください。

筆者の考えるコーチングの“方法”

では、なぜ「言語化」するためにわざわざコーチングが必要なのでしょうか?

それは、人は日頃、自分自身の可能性を驚くほど認識できていないからです。

『氷山の一角』という言葉からも判る通り、アメリカの心理学者・マクレランドさんが提唱した「氷山モデル」によると、人の顕在化している意識は表面のたった5%にしか過ぎず、残り95%が潜在意識として眠っています。

また、有名な心理学モデルの「ジョハリの窓」では、自分自身がわかっている・他人にもわかっている領域を ”開放の窓” と呼び、「氷山モデル」に当てはめると、顕在化している5%の意識に相当します。

梅津順江『心理マーケティングの基本』(日本実業出版社)より転載

つまり、コーチとの「対話」を通じて残り95%の潜在意識にアクセスし、自身の持つ可能性を自分らしく「言語化」することができれば、クライアントの人生に影響を及ぼす重要な”気付き”につながります。

ひとたび”気付き”が生まれれば、「3K(気付く、決める、行動する)」のサイクルが回り出すことを、私は「100回コーチング」の実践と、自らのクライアント体験から実感しています。

そんな、潜在意識の「言語化」のために欠かせないのが、コーチとクライアントが共に創る安心・安全な関係性であると、私は考えています。

潜在意識にアクセスするためには、「ジョハリの窓」でいう2つの窓 = ”秘密の窓”:自分自身はわかっている・他人にはわかっていない領域 と ”盲点の窓”:自分自身はわかっていない・他人にはわかっている領域 に、それぞれ「自己開示」「フィードバック」というアクションを通じて踏み込んでいく必要があります。

人は誰しも、安心できない相手に自分をさらけ出すこと(=自己開示)は出来ませんし、時には自身にとって耳の痛い言葉(=フィードバック)を素直に受け取ることは、安全が担保された場でしか出来ないことだと思います。そのためにも、コーチとクライアントが信頼関係を構築し、お互いにとって安心・安全だと思える状態が非常に大切です。

③コーチにとって大切な”考え方”と8つのキーワード

さて、ここまで「コーチング」とは何か?どんな目的で行われるのか?どんな価値があるのか?一緒に考えてきました。

キーワードの前に、私が考えるコーチにとって大切な”考え方”をご紹介します。

  • コーチにとって大切な”考え方”
    コーチとクライアントは「イコールパートナー(対等な関係の協力者)」であり、ただ”目的”に対する「役割」が異なっているだけである。

前述したコーチの”在り方”は、『クライアントの「人生の幸せ」のために、真剣に向き合う』でした。そのために、コーチとクライアントがパートナー関係を築き、共にゴール(=クライアントの幸せ)に歩んでいく。そのための土台となる考え方が「イコールパートナー」、つまり「コーチとクライアントは対等な関係の協力者である」という考え方です。

この考え方は下図の通り、その他の対人支援=「カウンセリング」「ティーチング」「コンサルティング」等の関わり方と「コーチング」の本質的な違いであると私自身は理解しています。さらに、同じ相手であっても両者の「役割」が異なれば、アウトプットとしての対話の形も異なってくる、と感じています。

最後に、コーチングを提供する上で重要な「コーチングマインド」を、8つのキーワード(※)に沿ってお伝えできればと思います。コーチングに興味を持った方、これから学ばれる方の理解の助けになれば幸いです。
(※)ICF JAPAN HP内 「ICF CORE COMPETENCY」 より一部抜粋・編集(https://icfjapan.com/competency

①信頼関係:相互に尊敬と信頼が継続する、安全で支援的な環境を生み出す
➡︎ コーチとして信頼が得られるよう、常に真摯さ・正直さ・誠実さを表現します。また、クライアントの物の見方、学び方、個人としての在り方に敬意を持って接します。デリケートで新しい領域に立ち入る際には、クライアントに許可を求めます。

②在り方:開放的で柔軟で自信に溢れる態度を以って、感覚をフルに開いている
➡︎ コーチングを行なっている間、クライアントと共にあり、変化に合わせて軽やかに対応します。自信を持って視点を変え、コーチとしての関わり方の新しい可能性に挑戦します。また、強い感情を扱う際にも、クライアントの感情に圧倒されたり絡め取られたりしないよう努めます。

③積極的傾聴:自己表現をサポートするために、クライアントが語っていること及び語っていないことに集中する
➡︎ コーチの用意した筋書ではなく、クライアント本人と自身の持っている筋書に注意を向けて話を聴きます。クライアントが述べていることを明解にし、理解を確実にするために、要約・言い換え・繰り返し等を行います。また、クライアントが表現することを勇気づけ、受け止め、強化するために関わります。決めつけやこだわりを捨て、クライアントが次のステップに進むために発散することを促したり、状況をクリアにできるようにします。

④人を動かす質問:クライアントが最大の効果を得るために、必要な情報を明らかにする
➡︎ 積極的傾聴とクライアントの視点への理解を踏まえた質問を行います。発見・洞察・約束・行動を引き出す問いかけや、さらなる可能性・新たな学びを生み出すためのオープンクエスチョン、クライアントが望むものに向かって動くような質問を心がけます。

⑤明確なコミュニケーション:効果的に意思を伝え、クライアントに最も肯定的な影響を与える言葉を使う
➡︎ フィードバックを行う際には、明快・適切・直接的な言葉を用います。クライアントが望んでいることやはっきりしていないことを、別の観点で解釈できるよう捉え直したり、明確な表現に言い換えたりします。コーチングの目的・テーマ・質問の意図を明確に提示します。

⑥気づきの創造:複数の情報を統合し、正確に評価して、クライアントの気づきを助ける解釈を行う
➡︎ クライアントの考えを捉えた上で、クライアントの説明に捕らわれずに語られていることの範囲を飛び越えて解釈します。クライアントの潜在的な考え、固定的な物の見方、事実と解釈の違い、感情と行動の間のギャップを見極めます。また、より広い視野を伝え、クライアントが視点を変化させよう・新たな行動の可能性を見つけようとする決意を促します。クライアントが語っていることと行動が一致しないと感じた時、些細な問題と重要な問題、状況による行動と習慣化した行動を区別するように要求します。

⑦行動のデザイン:お互いに合意した結果に最も効果的につながるような新しい行動をとる機会を作り出す
➡︎ クライアントが新たな学びを実践し、繰り返し、深めるためにブレーンストーミングを行い、行動を決めることを支援します。自発的な試みと自己発見を奨励することで、クライアントがセッション中に話し合い学んだことを、なるべく早く仕事や人生の場面に活かすように促します。また、クライアントの目指すゴールに合わせて様々な視点を提言しますが、それらに固執することなく、クライアント自身で考えることを尊重します。必要に応じて、コーチングセッション中にその場でサポートを提供し、「今、行動する」ことを支援します。

⑧計画とゴール設定:クライアントと効果的なコーチングの成果につながる計画を作成し、維持する
➡︎ クライアントが課題および学びと成長が必要な領域に向き合うために、集めた情報を統合してコーチングの計画や成長目標を、達成可能・測定可能・具体的かつ達成期日のある形で策定します。また、コーチングの進み方と状況の変化に適切に応じて、計画の調整を行います。クライアントが学びのために必要な様々な支援情報を特定し、利用できるように助けます。

自分らしいコーチングの形: ”teabreak coaching” と “自己理解コーチ”

ここまで長文にお付き合いいただいた方、本当にありがとうございました。

皆さんの中の「コーチング」とは?という疑問が、このnoteを読むこと少しでも解決し、お役に立てていれば幸いです。また私自身、この大きなテーマを「言語化」できたことで、コーチとして一歩前に進めたような気がしています。

この度、自分らしいコーチングの形を模索した結果、”teabreak coaching” というサービスをリリースするに至りました。

(2023年2月・追記)
また、株式会社ジコリカイにて倍率11倍の選考を通過し、半年間の研修を経て、3ヶ月間の「自己理解プログラム」をサポートする “自己理解コーチ” としても活動しています。

ご興味をお持ちの方は、以下のリンク集からコーチとしての自己紹介や、無料カウンセリングのお申込みをご確認ください。

素敵なご縁があり、あなたの人生の幸せのために役立てることを願って☕︎

yusuke


いいなと思ったら応援しよう!

yusuke (teabreak coaching)
ビール(本業)と お茶 × コーチング(複業)の人。認定プロコーチとして teabreak coaching を提供。株式会社ジコリカイ 自己理解コーチ。ビールとお茶のInstagram(@kyanapioka0913)もやってます☻