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古本屋ノ歩キ方【3000文字チャレンジ《本》】
※ここで言っている古本屋は、ほぼ『B○○K・○FF』のことです。
突然ですが、私は古本屋が大好きです!!
もちろん普通の書店も大好きだし、図書館で本を借りるのも楽しいけれど、『お手頃価格でお目当ての本が手に入るかもしれない』というワクワク感は古本屋だけでしか味わえない醍醐味だと思うんですよね(ワゴンの中に新品が並べられている『バーゲンブックコーナー』は時々見かけますが……)
そんな私なので、【3000文字チャレンジ】の『本』というお題を目にした瞬間、一番の最初に浮かんだワードが『古本』でした。
よっしゃぁ! 久しぶりの【3000文字チャレンジ】ワクワクするぜぃ!
このエッセイは、私の古本屋に対する思いと、古本にまつわる思い出を綴った、ちょっとした独り言です。そしてこのnote記事は親愛なるB○○K・○FF様に捧げます(嘘)
私の読書事情
読書は好きですが、欲望の赴くままに本を購入していたら、我が家の家計は大変なことになってしまうでしょう。
本って結構高いですからねぇ。
気になる本がある場合、考えられるコースは以下の4つ↓だと思われますが、みなさんはいかがでしょうか?
①図書館で借りて済ませる
②古本で購入
③普通の書店で購入
④知人、友人から借りる
私の場合、④は絶対にナシです。他人(個人)の所有物って必要以上に神経使いませんか? 私、基本はズボラなんですけど、『うっかり汚したらどうしよう。弁償だよな』とか思っちゃったりします。
唯一の例外は実の兄のみ。他人ではありませんが、別家庭ということでカウントしております。
そして図書館は『貸すことが目的』なのでノープロブレム。もちろん借りている間は、それなりに気を使いますよ。
と、いうことで『1回読めばいいや』という本は、①の図書館で済ませます。内容によっては何回も借りてしまいますが(笑)
もしも司書の方が私のデータを見る機会があったら、『買えよ!』と突っ込みたくなる本が間違いなくあるハズです(笑)
…で、③の『書店購入』ですが、これは「一刻も早く読みたい」からです。新刊は古本屋には、なかなか並びませんから。
でなければ値段が『ハードカバーの古本>文庫の新刊』の場合は後者を選びます。
そんな考えで本を購入していたら、私の大好きなシリーズの小説『和菓子のアン』は、文庫とハードカバーがごちゃごちゃになってしまいました。読むことに対しては影響がありませんが、本棚のビジュアルは……(苦笑)
古本が無理な人たち
「私、古本に抵抗があるんです」
これは書店員時代、比較的仲の良かった女性スタッフの言葉です。
彼女曰く『《前ユーザー》が誰なのか分からない』→『その《顔が見えない前ユーザー》が、本をどんな風に扱ったのか分からない』から…とのことでした。
つまり、前ユーザーが鼻をほじりながら本を読んでいた可能性が、彼女にとってはゼロではないということなのでしょうね。だから図書館もアウトだと言っていました。
ちなみに(顔が見える)友人知人が所有していた本であればオッケーらしいです。
その友人知人が鼻をほじりながら読んだ可能性もゼロではないですが…。
私なんかより、本好きのオーラが漂っていた彼女。たくさんの本を読んでいた……ということは③の『書店購入』ですよね(う~ん、セレブだな)。あ、④の『知人、友人から借りる』も大丈夫か。
そして、「あぁ、その元同僚さんの気持ち解る」と言ったのは私の実の母です。
そういえば母とは一緒に図書館に行ったことがなかったです。物凄い潔癖症なので、他人と同じ袋でポテチを食べるのも無理な人だったし……。
だからなのか、新品の本はよく買ってくれました。
そんな潔癖母の娘である私は、よっぽどのことがない限り「人間、そんなことで死にはしない!」と言うタイプです。
結婚するまで実家にいたけれど、よく一緒に生活できたなぁ…と今更ながら思います(笑)
主成分は古本です
この見出し↑はウチの長女のことです。以前、別のエッセイでも書きましたが、長女は小学生の頃から読書大好き少女でした。
高学年だった当時、クラスでは青い鳥文庫が流行っていて、娘も『黒魔女さんが通る!』や『パセリ伝説』などを愛読していましたが、私はこれらのほとんどを古本屋から仕入れていました。
だって数年前に出版されたモノなら、ほぼ¥108(当時)、高くても¥200で買えるんですよ。既に10巻近く出ているタイトルを新刊で揃えたら、我が家の家計は大ダメージですわ……。
オモチャは誕生日とクリスマスだけですが、「本は読みたい時が気持ちの旬!」だというポリシー(※個人の感覚です)により、私は『黒魔女さんが通る!』を古本屋から大人買いしてきました。
児童文学を卒業した後、『黒魔女さんが通る!』以外の青い鳥文庫は知人のお子さんに譲りましたが、一時期は本棚の一部が背表紙で水色でしたね(笑)
「お母さん、青い鳥文庫を全部新刊で買っていたら、トータルいくらになっただろうね」
「全くだ……」
ホント、B○○K・○FFさんにはお世話になりましたm(__)m
そしてこちらも別のエッセイで書いておりましたが、長女が今でも『心の師』と仰ぐ、さくらももこさんとの出会いは古本屋です。旅行先の会津で何気なく入った古本屋で見つけたのが『もものかんづめ』。どこかの誰かが売った本によって、こうやって影響を受けることがあるんですよ。
これって私だけ?
新品を扱う書店にもカラーの違いはありますが、基本のラインナップは大体同じだと思っています。
しかし古本屋は唯一無二! 店の数だけカラーが存在していると思いませんか?
だから旅行先などで、あのブルーとイエローの看板を目にすると、私はテンションがめちゃくちゃ上がってしまうんですよね。「どんな本が並んでいるのだろう」と…。
そんな看板に惹かれてフラフラと店に入る私は、まるで街灯めがけて光に飛び込む夜の虫のよう……。
ビル全階が店舗だった秋葉原のB○○K・○FFを見た時の感動は今でも覚えています。(疲れましたが…)
で、もう1つの『古本の面白さ』なんですが、時々、思いがけないものが挟まれていたりするんですよ。
栞は別に珍しくありませんが、一度、個人宛の絵ハガキが挟まれていたことがあります。それはお礼状らしき内容でした。丁寧な文字と言葉で綴られていましたが、もちろん、個人情報が丸出し!(オイオイ)
前ユーザーはこの差出人の方に対して、何らかの感謝される行為をしたようですね。きっと気配り上手なお優しい方なのでしょう。ならば、本を売る前には中身のチェックも忘れずに……と言いたいです。
と、いうことで、このハガキは責任を持って処分致しました。
もう1つのエピソードはレシートです。何の変哲もないレシートでしたが、何故か長女と話が盛り上がってしまいました。
前述の秋葉原の店で購入した『三毛猫ホームズシリーズ』なんですけどね、当時赤川次郎にハマっていた長女の為に5、6冊ほど購入したんですよ。
その中の1冊に挟まっていたのは、東京のカフェらしき店のレシート…。小さな白い用紙には、かなり前の日付とケーキセットの名前が印字されていました。
「ねぇ、この人はこのカフェで待ち合わせしてたのかな?」
私の頭の中では、『東京のカフェで三毛猫ホームズを読みながら、誰かを待つ女性』が浮かびました。
レシートに『女性』という情報はないんですけどね。
「あー、赤川次郎って、待ち合わせの時間潰しには丁度いいからね」
「でさ、待ち合わせの相手は来たと思う? 来なかったんじゃないの? だって1人分のケーキセットだよ」
「自分の分は自分で払ったかもしれないじゃん。でなきゃ待ち合わせはどっかの屋外で、早く来すぎたから、ここで時間潰していたとか……」
「どんだけワクワクしてたんだよ。まあ、待ち人が来ないような嫌な思い出があったら、こんな風にレシートなんか挟んでおかないかもね……」
昔過ぎて、具体的な会話内容は覚えていませんが、大体こんな感じです。
バカな親子ですよね(笑)
もちろん、レシートには『待ち合わせ中』なんて情報があるわけありません。
そうそう、残念ながら商品に諭吉が挟まっていたことはありませんでした。あ、『残念ながら』は冗談ですよ(焦)。諭吉さんでも一葉さんでも英世氏でも、ちゃんと店に申告しますってっ!!
おっ! あっという間に3000文字になってしまった。私の【3000文字愛】は【古本愛】と同じくらいの重さがありますからね。久しぶりのワクワクをありがとうございました。
次回もあると期待しておりま~す。