読書録#1:「アルケミスト」を読んで
こんにちは、きゃはりんです。大学三年生です。
最近、「アルケミスト」という世界的ベストセラーの本あることを知り、早速読んでみた。
最初の数ページを読んで真っ先に思ったのは、「サンテグジュペリの『星の王子さま』に似てる!」だった。
主人公が少年で、彼の目線で書かれていること、また、リアリティを絶妙に残したフィクションであること、が主な理由だ。
読み進めていくと、この本は、ちょっとドキッとさせられ、生き方について考えさせられるような言葉であふれていることに気が付いた。
そして、めったに使わない Kindle のハイライト機能を、3ページに一回くらい使っていくことになった。
最初にハイライトしたのは、「人は、自分の夢見ていることをいつでも実行できることに、あの男は気付いていないのだよ」
これは、主人公である少年が公園で出会った「老人」が、夢をあきらめてパン屋として安定な生活を送っている男を指さして放った言葉だ。
確かに、「いつかこうしたい」と思ってワクワクするのは素敵なことだけれども、それを「今できない理由」を探す口実に使ってしまうのはもったいないと思う。
私は大学一年のころから「いつか発展途上国の医療か教育に関わってみたい」と思っていた。
しかし「医療や教育のスキルがない」「危険」「仕事にするとして、儲かるわけではない」といった自分や他人からのこえに押され、実現しないタイプの「いつか」になりかけていた。
とは言えアンテナを張り続けていて、ついに、大学が南インドでのインターンシップ派遣をしていることを、たまたま読んでいたメールで知った。
こうして、今年の夏は南インドで、低所得層に眼科ケアを施す病院システムで10週間働くこととなった。
「できない理由」で自分を納得させるのではなく、アンテナを張り続けてよかったと思った。
他にも、「おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」
これは、少年が宝探しの旅に出ようか出まいか迷っているときに出会った、「賢者」の発言だ。
大げさに聞こえるかもしれないけれど、何かを本気で目指して努力している時、こう感じたことは何回かあったかもしれない。
例えば私は大学に入ってから、言っていることが聞き取れないし、自分が発言するのに時間がかかって周りは聞いてくれないので、グループワークが大っ嫌いだった。
しかし、私は「絶対にグループワークでの自分のポジションを見つける」と思っていて、ひたすら試行錯誤した。
その結果、大学三年の後半で一気に、「グループワークが好きだ」と言えるレベルに、突然、到達できた。
それまでずっと暗中模索していたと思っていた私にとって、これはミラクルのようで、正直「宇宙の力が働いた」と言っても過言ではないように思えた。
物語の後半の方では、「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、お前の心に行ってやるがよい」
これは、少年がやむなく数か月を過ごすことになった砂漠のオアシスで出会った、錬金術師の発言だ。
逆の考え、つまり、「実際にやって傷つくくらいなら最初からやらない方がまし」に支配されて、行動を起こせなかったことは多い。
でも思い返してみると、小学校の音楽会で伴奏をすると名乗り出て当日派手にミスした思い出より、
高校の時地理が大好きだったのに、なんだかんだ理由をつけて、地理オリンピックに挑戦すらしなかったことを思い出す方が、ずっと辛い。
個人的には、あまり予定をパンパンにしすぎず、「これやってみたい」と思ったことに日々挑戦できる程度の余裕を持っておく方が、好きだ。
物語のクライマックスでは、冒頭とは相まってかなりフィクション要素が強くなり、共感できる部分が減ってしまったように感じたが、
全体として、夢を持って(または思い出して)それに向かって進んでいく勇気をくれる本だった。
授業の合間などを使い、一日で一気読みしてしまうほど、読みやすい&続きが気になる本に、久しぶりに出会えてよかった。
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