《あくまで傾向なんだよな》【統制環境とキャリア33】
『じゃあさ、その原則1のあとは何が続くの?』
「これが、面白い、んです。
みてくれるヒトを決めて、お願いする、です」
『みてくれる?
見てくれる、なの?』
「診てくれる、もあるし、視てくれる、も。看てくれる、だったり。
観てくれる、、、は困るかな?」
『、、、つまり、そうか、マルッと包んでくれるような世話役を見つけて、それをやってもらう、ってコト?』
「それに近いですね。
世話の度合いは、勿論、それぞれですけど、あくまで、手は出さない、という形が望ましい。
色々と口は出すし、面倒かもしれないけど、そういう存在が、組織を継続させるために、より成長するためにはあった方がイイよね、というのが、原則2」
『、、、でも、それはヤギさんの見解で、そんなコトは書いてないんだろ、、、訳されてない、というコトかな?』
「ご名答。
監視責任の表明、みたいな小難しい用語で、、、」
『また、表明?
英語でも?』
「そうですね。今度は、Demonstrate independenceです」
『インディペンデンス?
独立を表明?
まさに、インディペンデンス・デイ、なの?
独立を宣言します、って?』
「前半は。後半に、oversightがあります。オーバーサイト。上からちゃんと見る、つまり、監視する、になっちゃう。
間違いじゃないし、その通りなんですけど、小難しくなる」
『小難しいんじゃない。
難しいよ、それ。
独立を宣言した奴らに、監視してもらう、ってコト?』
「そうですね。だから、手を出さない、なんです。
組織の外にいる存在に、やっぱり、みてもらう、になっちゃいますけど、監視監督をしてもらうコトで、組織がおかしくならないようにするんです」
『そうか、そうか。
そういう、みてくれる奴が組織の中にいると、ダメなんだな。自分のコトを優先する愚かなヒト達から、組織を護るために外部の目が必要という論理だな。
やっぱり面白いよ、これは』
「そう受け取ると思いましたよ、コバヤシさんは。
この”内部統制”の定義や構成は、整理され尽くしてる。アメリカの偉いヒト達が、時間をかけて、積み上げていったんです。元々、不正を防止するために。
そのうち、不正をする会社ではなく、不正をしない会社に目を付けた。不正をしない会社はどうしてるんだ、成功してる会社はどう機能してるんだ、という事例を集めて集めて、分析して、こういう組織は不正が起こりにくい。こういう組織は目的を達成しやすい。じゃあ、それを上手くまとめて公表しちゃえばイイね、という流れです」
『そうねぇ、不正する会社ではなく、不正しない会社はどうなの、って視点ね。
なんていうんだっけ、そういう論理』
「帰納法、ですかね」
『そうそう、帰納法』
「共通項を絞って絞って、原則として17個を公表したのが、2013年です。最近です。
それまでもずっと、考え方とか、概念はあったんですけど、ほんの10年前に、原則として確立されました」
『、、、だから、もしかして、べき、とか、しなければならい、とか、ないんだろ?
あくまで、こういうコトをやってる、こういうこコトを実践してる会社は成功しやすいよね、っていう、なんて言うの、、、
傾向みたいな提示?』
「それが、僕が”内部統制”をこよなく愛してる、大好きな部分です。決まってないんです。コレが”内部統制”です、やってください、じゃない。
そういうコトもあるよね、こういうコトに気をつけようね。
で、決めるのも、やるのも、アナタ次第、アナタが自分で決めて、自分でやる」
『、、、当たり前なんだけど、それが難しい』
「そう。
だから、、、」
『メチャクチャ、面白い‼️』