ブッダのおしえとは⑨ 『空』の思想
大乗仏教では、『空』の思想が基本となる。その『空』の出発点は『諸行無常』『諸法無我』にある。
『空』とは『すべての存在に実体はない』という意味で、ものごとはすべて移り変わるということだ。
〇諸行無常
この世の全てのものが変化してやまない
〇諸法無我
永遠に変わらない実体はない
例えば、ものごとには浄も不浄もないということを最初から知っていればそのようなこだわりが生まれることはなく、従って執着も存在しない。
つまり、一切はみな『空』である(=『一切皆苦』)の真理を悟ること、それ即ち『涅槃寂静』の境地に至る道である。
〇涅槃寂静
煩悩が消滅した静かで安らかな境地のこと
仏教のゴールになる
『空』の思想を突き詰めていくと、解脱やブッダの教えにも固定した実体はなく、迷いと煩悩の区別もなくなる。これが『空』の境地である。
○一切皆苦…仏教の基本理念で、この世の全ては
『空』であるという意味。
『色即是空』と同義語
○『空』…サンスクリット語で「ふくれあがった」
等の意味。仏教的には実体はないこと
を言う
○『般若心経』…大乗仏教の経典のひとつ。226字
の短い言葉で空の思想の真髄を
説いている。
『般若心経』には、般若系系統の経の本質が凝縮されている。
般若心経は観音菩薩が真実の智慧に至るまでの深い行をしていた時。この世の様々なことを照らしみて、舎利子(しゃりし)に説いた教えを書いた経である。
『色即是空』『空即是色』……般若心経の中にある
『色』(生まれてまた消えていく物質現象は)即ち
『空』(実体がない)のであり
『空』(実体がない)即ち『色』(生まれてはまた消え ていく物質現象)である
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