資格みたいな分かり易いものだけがスキルじゃない

　給料を上げたいし、将来にも不安を感じるからなんか資格取った方が良いよな。でも特にやりたいことなんてないんだよな。学生時代親に薦められて資格を取ろうとしたけど、結局続かなかったし。
「なあ将来に不安を感じるし、正直今の給料じゃ不安だから資格を取りたいのだけど、何が良いと思う？」
「資格な。何がしたいって決まってるの？」
「いや特に決まってない。やりたいことが見つからないんだよ。」
　資格って分かり易いけど、それだけじゃスキルじゃないと思うんだよな。俺がこの人の１番のスキルで１番素晴らしいところって否定がないってことだと思うんだよな。否定されたことは１度もないし、逆に自分が何かしたいって言うと素直に応援してくれる。素直に応援出来る人って実は少ない。でもそれを当たり前のように出来る。これだってスキルの１つと思うんだけどな。
「資格って何取れば良いか分からないよな。でも定まってないんだったらまずは何がしたいかを考えてみれば。平日でも時間取れそう？」
「まあSNSか見る時間を減らせば取れると思う。」
「そっか、その今言ったようなしたいこともそうなんだけど、同時に俺はスキルってそれだけじゃないと思うんだよ。例えばもっと個性ってものもスキルだと思う。俺はあなたの１番のスキルって否定がないってことだと思っているけどね。俺が何かをしたいって言っても否定から入ることはまずないでしょ。」
　個性がスキルになる？
「でもそれってスキルになる？」
「なると俺は思ってる。だって仕事でも否定から入る人って多くない？マイナス面ばかり探す人とか。それより相手を受け入れて、それが出来るように一緒に考えていける人ってそういないから、間違いなくスキルだと思うよ。」
　確かに言われてみれば、会社にも否定から入る人はいる。もしくは固定観念に縛られていて、それ以外の選択肢を認めない人とか。
「ありがとう。これも１つのスキルになるんだ。」
「仕事をする時に否定しない人と一緒に仕事している方が楽でしょ。だったらもうそれだけで強みだと思う。そういう自分の個性ってものもこの機会に考えてみたらどう？」
「ありがとう。なんか光が見えてきた。」
　そっか、こんなこと誰にでもあるよなってことでも意外とスキルになるのかもしれない。ちょっと真剣に考えてみようかな。

　仕事に使えると考えた時、資格や分かり易いものに目を向けていませんか？でも自分の個性も僕は立派なスキルだと思っています。ここで書いた否定がないとかもそうでしょうし、例えば地道なことでもコツコツ出来るとかもスキルでしょう。
　そういうものをかき集めて、僕はこれだけのスキルがあると認めることも未来に繋がると思っています。社会人になって、数年は働いたり、それこそ何十年と働いていたら、この自分自身に目を向ける機会が減っていく。
　１度自分自身に目を向けてみませんか？