![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/146869339/rectangle_large_type_2_7e50bec85c43ae2fbe1b9eca115e63d3.png?width=1200)
相手の土俵に入ること
うちの会社で1人どうも人付き合いが悪いのがいてさ、困っているんだよな。」
「へーそうなんだ。その人は人と接するのが好きじゃないの?」
「たぶんな。俺もよく知らないんだけどさ。オタクっぽいやつで。」
「オタクっぽいんだ。電車とかアニメとか?」
「あんまり聞いたことないんだけど、電車が好きみたい。よくいるだろ電車を見に行くのが好きで、その車両を見る為にどこへでも行く人間って。よく分からんけどそういうのをチラッと聞いたことある。」
「そうなんだ、どこへでも行くのってすごいね。」
そりゃあ好きだからじゃないの。そう思ったけど口にはしなかった。でも俺にこんな好きなことあったかな
「それは置いといてどうも人と馴染むことが出来ないんだよ。俺と話していてもなんかおかしいんだよな。だからみんな変わってるとか変だとか言ってる。」
「それでその好きな電車の話とか聞いてみたの?」
「聞くわけないよ。俺は別に電車とか好きでもないから。ただの移動手段だと思ってるから。」
「それで仕事の話だけしか話をしないの?」
「うん、みんなそんな感じだよ。」
それじゃあもしかしたら心を開かないのかもしれないな。自分から仲良くなっていくことが苦手な人だっている。みんながみんな多少無理してまで社交的に出来るなんてないし、その人にはその人の良い所だって絶対あるのに。
「なるほど、変だとか変わってると思っているから、みんな拒否感が出てるのね。」
「うんまあそんな感じ。」
「でもその人に電車の話とか聞いてみたらどう?電車の写真撮るためにどこか行ったとか好きな電車とかあるとか。」
「いやあ俺聞いてもよく分からないから。」
「じゃあさ、あなたが私と昔付き合いたいと思ってた時期って、私の興味のあることとか調べなかった?」
「そりゃあ調べるよ。良い印象持ってもらいたいから。確かあの時はジャニーズにはまっていたよな。」
「あの時ははまっていたね。じゃあその熱量の1%で良いから、電車のことを質問してみて分からないことがあったら聞いてみたら。その電車のこと知らないから写真あるとか、どこで走ってんのとか。」
そんな時間持てないよ。それにただの同僚にそんな気にしてられない。当時好きだった人とただの同僚じゃ訳が違う。
「そんな同僚の為にわざわざ時間取るの?」
「ちょっとで良いんだよ。相手もそんな急に聞かれたら不快かもしれないからさ。それで遠回りかもしれないけど、関係が少しでも良くなったら相手も仕事しやすくなるでしょ。」
「うんまあそうかもしれないけど。」
「そうなったとして、仕事も頼みやすくなったり、相手も今は仕事しづらいかもしれないけど、それがきっかけになって仕事もっと出来るようになったら、あなたの評価はかなり上がるでしょ。」
「そっか。」
周りが上手く連携取れていないんだから、ちょっとでも仕事で貢献してくれるようにしたら俺の評価も上がるかもしれない。これは試してみる価値あるかもしれないな。