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『存在脅威管理理論』を調べてみた

 どーも。こんにちは(o・ω・o)カエルです。
 
 今回は真面目なお勉強の話(理論の話)。
 
 最近、推しの箱のVtuberの卒業が続いておりまして、Vtuber(ヴァーチャルYouTuber)にとって、卒業とは、人の「死」のような意味を持つ訳です(生きてはいるんだけれど、観測できないとい意味ではやはり死にもっとも近い)。
 
 そんなこんなありまして、「死とは何ぞや」と疑問に思い、検索してみると、

「人は死への恐怖に突き動かされている」

 という『存在脅威管理理論』なるものに出会ったので読んでみた。


□存在脅威管理理論とは

自尊感情と文化的世界観、そして他者との関係性が存在論的恐怖(自分の死が避けられないという認識から生まれる恐怖)を和らげる機能を持つ、という想定に立つ理論社会心理学

 簡単に言うと、「人は死について考えると、自分らしさや、自分の行いや生活、他者との関係性、これらをより大事にする、または強化しようとする」⇒死への恐怖が緩和されると

 ということらしい。
 既に研究においても、 

「存在論的恐怖について考えること」が、

■自尊感情の高揚反応(自分のことを肯定的に捉えようとする反応)
■文化的世界観の支持・防衛反応(自分の文化の価値を善きものだと考え、それに同一化しようとする反応)
■他者との関係希求(他者との関係を形成あるいは維持しようとする反応)
 
これらを強める。

 ということは分かっているとのこと。
 より専門的な話では、

□存在脅威管理理論(terror management theory)

●理論的な前提

■存在論的恐怖:いつかは訪れる死に対する恐怖。⇒死の不可避性の認識から生まれる

■人は存在論的恐怖をやわらげる文化的不安緩衝装置をもつ。

【装置】
文化的世界観:存在論的恐怖の予測不可能性を緩和する。不死の概念(直接的不死、象徴的不死)による死の超越。
自尊感情:文化的世界観に一致しているという感覚(存在脅威管理理論のもとではこのように理解できる)

 これらの装置が、世界、死、自己の意味づけをとおして存在論的恐怖を低減させる。


●理論的前提を踏まえた仮説

■文化的不安緩衝装置仮説(cultural anxiety-buffer hypothesis:CAB仮説)

文化的不安緩衝装置が強化されている(自尊感情が高い、文化的世界観を信頼できている)とき、人は存在論的恐怖を感じにくい。

■存在脅威顕現化仮説(Mortality Salience hypothesis:MS仮説)

存在論的恐怖が高まると、人は文化的不安緩衝装置を強化しようとする。


(蛙・ω・)<難しい話が続くが、要は、

人は『死への恐怖』を完全に克服することはできないが、
「怖い」と感じるとき(存在論的恐怖)、
「自分」と「他者(とそれらの世界)」への感情を強くすることで(文化的不安緩衝装置)、
『死への恐怖』に抗おうとする。また、抗うための機能を強化することができる。

 ということらしい。
 
 実際に、

・幸せになりたければ、自分の死について書けばいい【デス・ライティング】

・自分の死について考えると運動の能力がアップする

 そんな研究結果もあるとのこと。

 
 推しの卒業に対して、強く感情を抱いたり、仲間と共感したり、推しへのポジティブなメッセージを綴ったり、推し活を強化するのも、こういう所から来てるんだろうなぁ。

 
 って思ったりした(o・ω・o)人は死すら活かす力を有する。

 なんて、面白いなーって思いました。

 

【参考記事】


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