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「のろい」と「まじない」の違い
「呪い」と言う言葉には、二つの読み方がある。
それが「のろい」と「まじない」
しかし、同じ「呪い」にも関わらず、二つの言葉から抱く印象は、微妙に異なるような気がする。
のろう(呪う)
恨みのある人に悪いことが起こるように、神仏に祈る。『新明解 国語辞典』(2020) 三省堂
「のろい」はどちらかと言うと怖い。ゾッとするような感覚。自分はこの言葉を聞くと、白装束が釘で藁人形を打つ場面を想像してしまう。
相手への怨嗟が積み重なった末に、どうか悪いことが起きるようにと願う行為であり、漫画やアニメなんかでは邪悪な敵役なんかが使う力。
そんなイメージを持つ人が多いのかもしれない。
まじなう(呪う)
災いをのがれられるように、また、他人に災いをくだすように神仏などに祈る。『新明解 国語辞典』(2020)三省堂
それに対して「まじなう」と言う言葉は「のろう」の説明とは違う文言が含まれていることから分かるように、災いを起こすだけでなく、その災いから身を守ってくれる意味も兼ねている。
実際「おまじない」と言う言葉からは、優しい雰囲気が滲み出ている。おばあちゃんや猫とかから感じるものと同じ、ほんわかとした雰囲気。
「のろい」と言う言葉が、他の誰かに対して悪意を抱く時に使うのに対して
「まじない」と言う言葉は、他の誰かの悪意から身を守るために使う。
同じ「呪」という漢字をあてているのにも関わらず、意味や言葉から感じる印象が全くもって変わってくるのは、日本語の面白い部分なのかもしれない。
最後に、そんな「呪い」と言う言葉が歌詞に登場する曲を載せておく。
あなたの口癖の愛は 解けない呪いのようだ
一度のさよなら 最後に愛を込めて
この部分の歌詞がとても好き。語感かな。
ちなみに、作詞作曲はFINLANDSの塩入冬湖さんが手がけている。
歌詞の「呪い」と言う言葉がどっちの意味かは、聞いてからのお楽しみ。
今の季節にぴったりだから、聴いてみてくださいね。