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お酒を嗜むということ
お酒の飲み方が変わったのはいつからだろうか。
大学時代に関しては、お酒と名のつくものが飲めれば何でも良いと思っていた。
打ち上げで飲むお酒は大体ピッチャーで届くし、居酒屋は安ければ安いほど素晴らしいと思っていた。ほぼ、鳥貴族しか行ってなかった。
しかし、社会人ともなると、それなりに懐にも余裕が出てくるので、お店を選ぶ時の基準も「安い」の一点張りから「美味しいご飯」とか「お酒の種類が豊富」とか、より幅広い選択肢の中から選ぶように変わっていった。
ただ、そうやってお酒の飲み方も変わり、好んでビールやハイボールなんかを頼むようになった今でも、まだ「お酒を嗜む」という境地には辿り着けていないような気がしてしまうのだ。
ちなみに「新明解」の国語辞典で
「嗜む」とはどういう意味か調べてみると
素養やつきあいのため、ふだんからその事を習っておく。
とあった。
そういう意味では、お酒の知識をしっかりと蓄えた上で飲むのが「お酒を嗜む」第一歩と言えるかもしれない。
実際、自分は最近ジンが好きで、サントリーさんから販売されている「翠」ばかり飲んでいる時期があったのだけど、次第にジンというお酒自体に興味が湧いてきて、自分でどういうお酒なのかを調べたり、どうやって作られるものなのかを検索したりしたことがあった。
ジンにも驚くべきほど多彩な種類があり、その中からお気に入りのものを見つけるのはなかなか至難の業ではあるかもしれないが、せっかくなら色んな種類のものを飲んでみて、こだわりを自身の中に植え付けたいと思っている。
ただ「新明解」の国語辞典には
さらに「お酒を嗜む」という語句についても記載があり
a「酒が好きで飲む」の上品な言い方。
bつきあい程度に飲む
と書いてあったので、結局、もとを正せば「酒が好きで飲んでいる」ことには違いないのかもしれない。もはや、酒好きが自身のことをちょっと良く言っているだけなのかもしれない。
それでもやっぱり、お酒を嗜むように飲む人になりたいなとは思うので、少しづつ知識を蓄えながら、今年こそはお気に入りのお酒を探しに行きたい。
そう、志す心に変わりはない。
あと、ついでに飲み友達を増やしたい。
響きも良いよね、飲み友達って。